※日経エンタテインメント! 2022年9月号の記事を再構成
海外ドラマ史上最高傑作と言われた『ゲーム・オブ・スローンズ』の待望のスピンオフドラマが『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』だ。米本国で公開されたティザー予告は1億回以上再生され、情報発信の度に全世界のTwitterトレンド入りを果たすなど世界的な注目を集めている。そんな話題作が、2022年8月22日から全米と同時に、日本でもU-NEXTで独占配信される。
本作を紹介する前に、オリジナルの『ゲーム・オブ・スローンズ』に触れておこう。原作は米国のSF作家、ジョージ・R・R・マーティンのベストセラー小説『氷と炎の歌』シリーズ。夏と冬が不規則に巡ってくる大陸ウェスタロスの七王国を舞台に、複数の王家による壮絶な玉座争いの行方を描く。中世ヨーロッパ史をモチーフにしながらドラゴンや魔術が存在するファンタジー。一方で、陰謀や策略、裏切りにつきものの、容赦ないバイオレンスや過激なエロティック描写も満載。ヨーロッパ各地でロケを敢行し、映画以上のスケール感で物語を忠実に再現した。
米・有料ケーブル局HBOで2011年から19年まで全8シーズンで放送、エミー賞史上最多の59部門受賞という快挙も達成した。また、同作の出演を機に大飛躍したキャストも数知れず。DCヒーローの『アクアマン』として人気のジェイソン・モモアや、『エターナルズ』にそろって出演のキット・ハリントンとリチャード・マッデン、ドラマ『マンダロリアン』で主演を務めるペドロ・パスカルなど、もはや話題の映画、ドラマに『ゲーム・オブ・スローンズ』出身者の姿を見ないことはない。
前作の200年前を描く今作。さらなるスピンオフも
今回の『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚。ジョージ・R・R・マーティン著の『炎と血』が原作となる(マーティンは製作総指揮にも名を連ねている)。撮影は、主に英国で行われ、ほかスペイン、ポルトガルでも敢行された。
舞台は『ゲーム・オブ・スローンズ』から200年前のウェスタロス。エミリア・クラークが演じたデナーリス・ターガリエンら、ドラゴンの血を引くと言われるターガリエン家の物語が描かれる。
舞台はドラゴンが戦力として活躍していた時代。劇中には17匹ものドラゴンが登場するらしい。そして、そのドラゴンの絶滅を招くことになるターガリエン家の内乱“双竜の舞踏”が見どころになるようだ。特に、オリジナルですさまじいバトルシーンが人気の「落とし子の戦い」(6章第9話)などを監督したミゲル・サポチニクがショーランナーとして参加し、複数話を監督するだけに期待も大きい。
出演者にも注目。メインキャストになるターガリエン家の王弟デイモンを英国の人気ドラマ『ドクター・フー』の11代目ドクター役などで活躍のマット・スミス、王女レイニラには、新進女優エマ・ダーシーが抜てきされている。
8月22日(月)から全10話を週1話ずつ配信する。また、U-NEXTでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』全8シーズンをレンタル&見放題で配信中。原作小説『氷と炎の歌』『炎と血』も配信中だ。
先頃、キット・ハリントンが演じたジョン・スノウを主人公にしたスピンオフ企画が進行中と発表された。どこまで“GOT”ワールドが広がるのか、楽しみだ。