※日経エンタテインメント! 2022年2月号の記事を再構成

2022年、映画やドラマのメインキャスト級へと大きくステップアップしそうな男優は誰なのか? 主演作が発表済み&主演経験のある若手から、飛躍が期待される新進まで、注目の顔14人をピックアップした。

演技派男優も次々台頭

 2021年も新たな“主演俳優”として定着しそうな若手の台頭が相次いだ。杉野遥亮は深夜ドラマ『直ちゃんは小学三年生』『東京怪奇酒』で主演を務めた後、プライムタイムのドラマ『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』でヒロインの相手役が大評判。SixTONESの松村北斗は2月公開の映画『ライアー×ライアー』でW主演後、放送中のNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『カムカムエヴリバディ』で存在感を見せた。いずれも主演作を勝ち取るとともに、さらに大きな舞台でも高い評価を得ている。

 彼らに続き、次の主演俳優へと飛躍しそうなのは誰か。22年に主演作が発表されている新鋭や、すでに過去に主演経験を持つ若手を中心に、期待の顔を見ていこう。

 1月15日スタートの『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレ朝系)でドラマ初主演を果たしたのが細田佳央太。昨年は『ドラゴン桜』で昆虫を愛する東大専科の生徒役、『恋です!』では全盲の盲学校生と、ヒットドラマでも印象的な役柄を好演している。

細田佳央太(ほそだ・かなた)
小学校2年生で芸能活動をスタート。19年にオーディションで選ばれて『町田くんの世界』で映画初主演。昨年公開のヒット作『花束みたいな恋をした』では清原果耶の恋人役、メインの1人を務めた『子供はわかってあげない』も高評価に。昨年9月度の『ZIP!』月替り金曜パーソナリティーも務めた。2001年12月12日生まれ、東京都出身

 高橋文哉は10月期の吉高由里子主演ドラマ『最愛』で主人公の異母弟・朝宮優役を演じ、高い評価を得た20歳。昨年は4月期の『着飾る恋には理由があって』など全クールの連ドラに出演し、TELASAオリジナルドラマ『僕らが殺した、最愛のキミ』ではW主演も務めた。1月期『ドクターホワイト』など出演作が続く。

 昨年4月期のドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』で、吉川愛とW主演を経験したのは板垣李光人。大河ドラマ『青天を衝け』では徳川昭武役を演じ、凛々しい存在感が注目を集めた。1月スタートのドラマ『シジュウカラ』(テレ東系)では、山口紗弥加が演じる主人公の漫画家と恋に落ちる18歳差のアシスタント役を演じる。

 昨夏に公開された『都会のトム&ソーヤ』で映画初主演を果たしたのは15歳の城桧吏。今年は山崎貴監督が人気童話シリーズを実写映画化した、7月22日公開予定の『GHOSTBOOK おばけずかん』に主人公として出演する。

 昨秋のドラマ『美しい彼』で主人公の無口な高校生を演じた萩原利久も、注目を集める若手の1人。19年の『電影少女 ‐VIDEO GIRL MAI 2019‐』『大江戸スチームパンク』など、すでに深夜ドラマでは主演を重ねる。

 ジャニーズ勢では、なにわ男子の道枝駿佑が、昨年秋にドラマ『消えた初恋』で主演。12月30日に公開された松本潤主演の映画『99・9‐刑事専門弁護士‐THE MOVIE』にも出演している。

配信で主演作を持つ注目株

 昨今、若手俳優をいち早く主演級で起用することが多い動画配信サービス。若年層に向けた恋愛ものなどのオリジナル作品のほか、HuluやParaviといった放送局系列のサービスでは、地上波連ドラのスピンオフドラマも数多く制作している。例えば、ドラマ『中学生聖日記』で注目を集めた岡田健史は20年にFODで先行配信された『いとしのニーナ』で連ドラ初主演。昨年は『恋はDeepに』のスピンオフ『恋はDeepに勉強中!』(Hulu)で渡邊圭祐が主演している。

 昨年秋のドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』第7シリーズに研修医役でレギュラー出演した一ノ瀬颯は、TELASAで配信されたスピンオフドラマ『ドクターエッグス~研修医・蟻原涼平~』で主演。台湾や韓国での配信も決定している。

 Kaito名義でバンド「インナージャーニー」のドラマーとしても活躍する櫻井海音は、Paraviで先行配信されテレ東系でも放送された『つまり好きって言いたいんだけど、』で主演の大原櫻子の相手役を好演。昨年春にはソニー・ミュージックエンタテインメントのYouTubeソーシャルドラマチャンネル「みせたいすがた」で第1弾として配信された『水曜日22時だけの彼』で主演した。

 シンガーソングライター優里のヒット曲をドラマ化、昨年8月からHuluで配信中の『ドライフラワー‐七月の部屋‐』の主演を務めたのは坂東龍汰。ドラマ『真犯人フラグ』『この初恋はフィクションです』に出演するなど活躍の場が広がっている。

 藤原大祐はHuluで3月に配信開始される『神様のえこひいき』での主演が決定。1月期テレ朝系ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』にも出演する。

朝ドラほか登竜門出身の新鋭

 男性俳優の登竜門といえば、成田凌・中村倫也・山田裕貴らが注目を集めるきっかけになったNHK朝ドラ、仲野太賀・吉沢亮らが活躍した大河ドラマ、菅田将暉・竹内涼真らを生んだ『仮面ライダー』シリーズ、松坂桃李・千葉雄大・志尊淳らを輩出したスーパー戦隊シリーズなどが大定番。最近では、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』で人気となった赤楚衛二と町田啓太など、男性同士の恋を描くBLドラマをきっかけに脚光を浴びる俳優も増えた。今年もこうした登竜門出演をきっかけに、急浮上しそうな次世代の才能は多数ひしめいている。

 放送中の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で川栄李奈がヒロインを演じる京都編に出演するのは青木柚。昨年はドラマ『プロミス・シンデレラ』などに出演した。

 18年に歌舞伎の名跡の八代目を継いだ市川染五郎は、今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に、頼朝の娘・大姫と婚約する木曽義高役で出演する。昨年はアニメ映画で主演して話題になった16歳の歌舞伎界のプリンスが、テレビドラマでも注目を集めそう。

 スーパー戦隊シリーズ出身で注目を集めているのは、20年の『魔進戦隊キラメイジャー』でシリーズ最年少の17歳で主演した小宮璃央。昨秋にオンエアされたドラマ『JKからやり直すシルバープラン』でW主演。1月8日放送のスペシャルドラマ『ラーメン大好き小泉さん 二代目! 2022年新春SP』(フジ系)にも登場する。

 FANTASTICS from EXILE TRIBEに所属する八木勇征は、男子高校生の初恋を描いた昨年秋放送の『美しい彼』で萩原利久とW主演。スクールカーストの頂点に立つカリスマ高校生を演じ、ドラマタイトル通りの美しい存在感で注目を集めた。

(文/高倉文紀)

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