2022年3月4日発売の「日経トレンディ2022年4月号」では、「ずるい!エクセル【学び直し】」を特集。表計算シートを同時に共同編集する機能に重きを置くなら、思い切って“脱エクセル”をし、「Googleスプレッドシート」に乗り換えるのも一つの手だ。脱エクセルのメリットはどこにあるか、長年実践するクラウド会計サービスのfreeeに聞いた。

※日経トレンディ2022年4月号より。詳しくは本誌参照

 チームの複数メンバーで表計算シートを同時に共同編集する機能に重きを置くなら、思い切って“脱エクセル”を試みるのも手だ。

「日経トレンディ2022年4月号」の購入はこちら(Amazon)

 乗り換え先の有力候補が「Googleスプレッドシート」。企業ユーザーは、クラウド型オフィスサービス「Google Workspace」を契約すると利用できる。ユーザー一人当たりの最低料金の月額プランは、エクセルを含む「Microsoft 365」が540円(税別)に対してGoogle Workspaceは680円(税別)。運用コストはさほど変わらず、乗り換えハードルは低い。

 2012年の会社設立と同時にGoogleスプレッドシートを使い始め、以後10年にわたって脱エクセルを実践する1社がクラウド会計サービスのfreeeだ。スタートアップ企業の同社がGoogleスプレッドシートを愛用し続ける理由は、1つがソフトのインストールが不要で、ブラウザーさえあればすぐに全機能を使い始められること。会社の成長に合わせて社員数が急増しても、パソコンへの追加導入がしやすいからだ。

 また、アップデートを重ねて機能強化を図る点も評価する。特にMicrosoft Officeとの互換性は年々向上し、14年にはエクセルファイルなどの直接編集を実現。当初は拡張機能が必要だったが、19年からは様々なブラウザーで拡張機能不要で直接エクセルファイルを編集可能になった。

 freeeでは、エクセルのライセンスを付与するのは、ごく少数の社員に限っている。業務用エクセルファイルはパスワード保護することが多いが、20年12月に「メールによるパスワード付きファイルの受信廃止」を宣言。以降は、社外ともGoogleスプレッドシートを共有することが増えた。

 Googleスプレッドシートの機能面で、freeeが高く評価するのが共同編集機能だ。06年の登場当初からクラウド上に置いたファイルを複数メンバーで共同編集できる。その魅力を、同社のデータサイエンティスト村原京季氏は次のように話す。「メールでファイルをやり取りしていた時代は、どれが最新版か分からなくなっていた。常に最新版のファイルで共同編集すれば、交通整理がしやすい。誰かの作業が終わるまで待つ必要が無い」

 Office 2016など旧バージョンのエクセルを使う企業ユーザーの場合、サーバーにあるファイルを操作しようとしたら「読み取り専用」で、しばらく仕事に着手できずに困った経験が一度はあるはず。Googleスプレッドシートなら、こうしたチーム利用時の無駄な時間を無くせる。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
5
この記事をいいね!する