2022年3月4日発売の「日経トレンディ2022年4月号」では、「ずるい!エクセル【学び直し】」を特集。少しのコツを覚えるだけで、仕事の効率が劇的に上がるのが表計算ソフトのエクセル。まずはマウスの無駄な動きをショートカットキーに置き換えるだけで仕事が速くなる。その上で、「迷惑データ根絶」「エクセル簡単分析」「データ経営」の“3階建て”再学習が、仕事に変革をもたらす。

※日経トレンディ2022年4月号より。詳しくは本誌参照

脱マウス省力化を基礎に、“3階建て”のエクセル再学習で仕事を変革
脱マウス省力化を基礎に、“3階建て”のエクセル再学習で仕事を変革

「ワードとエクセルは使えますか」と問われたら、ほとんどの人が「Yes」と答えるだろう。しかし、ワード(Microsoft Word)はともかく、エクセル(Microsoft Excel)については、簡単な表やグラフを作るにとどまっている人が多い。

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 一方で、社員の“エクセル力”を強化して、大きな成果を上げている企業は数多くある。その代表格が、作業着・用品の販売から、アウトドア用の衣服や服飾雑貨に商品の幅を広げているワークマンだ。同社は2012年から社内でのエクセル活用に力を入れ、近年は「データ経営」を標榜。9年間でチェーン全店の売り上げを2.4倍に伸ばす成功を収めている。同社では、社歴2年目以上の全社員がデータ分析の研修を受ける。また、各商品の店舗ごと、日付ごとなどの細かなデータは、すべてエクセルで分析できる形で公開。「この店は次に何を仕入れるべきか」といった課題をデータを基に議論している。

 この他、マッキンゼーやA.T.カーニーなどのコンサルタントは以前から、顧客に説得力のあるデータを見せるためにエクセルを使いこなしている。近年は、パナソニックのような大企業もエクセルの重要性を再認識。エクセルの競技会を実施して社内の“達人”を発掘し、データ活用でトラブルを起こさないノウハウの共有を進める。

 エクセルを使いこなすには、複雑な関数を多く理解するなど面倒なことをする必要はない。基本的な部分を学び直しながら、便利機能に絞って覚えれば、明日からでも仕事が一気にスピードアップする。

 すぐ成果を出したいなら、まず様々な省力化テクニックを習得する。マウスでメニューを操作していた無駄な動きをキーボードのキーの組み合わせ(ショートカットキー)に置き換えるだけで、驚くほど仕事が速くなる。

 次に押さえたいのは、身近にあるデータを分析可能な形に整理するルールと、その関連テクニックだ。各企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、様々な情報がデータ化する中で、日本政府の統計の中枢といえる総務省が20年12月にその「統一ルール」を発表した。「1セル1データ」「数値と文字列を混在させない」など、ポイントを守るだけで、手持ちのデータが“宝の山”に変わるだろう。

 ここまでできたら、エクセルが備える各種の分析ツールや関数を少しずつ覚えていけばよい。エクセルも、バージョンアップにより、便利な関数や機能が増えている。特に、ここ数年で強化された、大規模データの集計・分析に適した「パワークエリ」「パワーピボット」は、業務用としても十分使える性能がある。使えるつもりになっている人も、ぜひ学び直したい。

「基礎」+“3階建て”を大解剖

【基礎】脱マウス省力化

■テレワークの普及で作業の省力化が課題になる

■ショートカットキーや自動化テクで効率化する
エクセルでの作業を効率化する重要なキーワードとなるのが“脱マウス”だ。マウスに手を伸ばしてメニューを開いて……といった操作を、キーボードから手を動かさずに実行できる。最近はPCスキル系のYouTubeなどで、様々な省力化ワザを学びやすくなった
エクセルでの作業を効率化する重要なキーワードとなるのが“脱マウス”だ。マウスに手を伸ばしてメニューを開いて……といった操作を、キーボードから手を動かさずに実行できる。最近はPCスキル系のYouTubeなどで、様々な省力化ワザを学びやすくなった

【1F】迷惑データ根絶

■総務省が2020年12月に「データ表記方法の統一ルール」を公表

■ルールを知るだけで、社内に埋もれている様々なデータが“宝の山”に変わる
データ分析の前に重要なのが、収集したデータを分析しやすい形に整理すること。2020年12月に総務省が、データの表記方法の「統一ルール」を公表したことで、その重要性が再認識されている
データ分析の前に重要なのが、収集したデータを分析しやすい形に整理すること。2020年12月に総務省が、データの表記方法の「統一ルール」を公表したことで、その重要性が再認識されている

【2F】エクセル簡単分析

■パナソニックなど大手企業で“正しいデータ活用”の教育が進む

■統計的なデータ活用&分析も実は簡単誰もが気軽にできる手法がある
パナソニックは、競技会などで社員のエクセル力向上に注力。様々な部署のデータを横断的に活用する推奨ルールも策定する。エクセルは、社内のデータを活用したクロス集計や回帰分析などの統計処理も簡単にできる
パナソニックは、競技会などで社員のエクセル力向上に注力。様々な部署のデータを横断的に活用する推奨ルールも策定する。エクセルは、社内のデータを活用したクロス集計や回帰分析などの統計処理も簡単にできる

【3F】データ経営

■「パワークエリ」「パワーピボット」など、エクセルの分析機能も進化

■専用分析ツールなどを自作するワークマンのように仕事で成果が上がる
ワークマンは、商品の販売データなどをすべてエクセルで分析可能な形で社内に公開し、社員による分析を後押ししている。社員がVBAなども駆使して作った、“未仕入れ商品の機会損失を計算するツール”などが日常的に使われている
ワークマンは、商品の販売データなどをすべてエクセルで分析可能な形で社内に公開し、社員による分析を後押ししている。社員がVBAなども駆使して作った、“未仕入れ商品の機会損失を計算するツール”などが日常的に使われている
注)本特集は、原則としてWindows 10上でMicrosoft 365(2022年1月時点)に含まれるExcelで操作などを説明しています。

(写真/文田 信基=fort、イラスト/千野エー)

【ずるい!エクセル「学び直し」】
●【データ整理】総務省の「統一ルール」に学ぶ、迷惑シートを避けるコツ
●【データ分析】実績データのトレンドや傾向をつかんで、将来を予測する
●【省力化】解説系人気YouTuber直伝 明日から使える神テクを公開
●【Excel 2021】共同編集の強化や新関数などに注目! 進化したExcelの全貌
●【企業活用】経営に生かすワークマンは売り上げ2倍超 分析ツール自作社員も
●【企業活用】A.T.カーニーが新人にたたき込む 戦略コンサル“みせる”グラフ技
●【テレワーク】在宅勤務からプレゼンまで1台でOK! iPadのOffice仕事術
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