
2021年、月間アクティブユーザー数(MAU)が10億を超えたTikTok。アカウントを開設する企業が相次ぐなか、“従来のイメージを覆す”と話題なのが、全日本空輸(ANA)のTikTokアカウントだ。
2021年7月にアカウント開設後、航空機や機内設備の紹介、機窓からの絶景といった動画はもちろん、客室乗務員や整備士などによるダンス、日本航空(JAL)と共同開催したイベントの動画など幅広く発信。さらに離陸や機体洗浄の様子をライブストリーミング機能「TikTok LIVE」で配信するなど、バリエーション豊かな投稿でフォロワーが6万5000を超える人気となっている。
ANAが大切にしているのはユーザーとのコミュニケーションだ。その運用から企業がTikTokに取り組む上でのポイントが見えてきた。
動画ネイティブの若年層狙い、社員総出演で160万再生
「動画ネイティブの若年層にANAを知ってもらうこと。またコロナ禍で往来が難しく、距離が空いてしまったお客様に動画を通じて弊社を感じてもらうことを考えた」。ANAホールディングス 広報・コーポレートブランド推進部 二見良太氏はTikTok開設の経緯をそう話す。TwitterやInstagramなど、既存のSNSアカウントはテキストベースだったが、デジタルネイティブの若年層へ動画で情報を届けることの重要性を認識していたという。
またコロナ禍でも空の旅を身近に感じてもらいたいという思いもあった。「コロナ禍が落ち着いたとき、ANAに興味を持ってもらえるような、社員ならではの目線で動画を届けたい」(ANAエアポートサービス グランドスタッフ 戎 健吾氏)という。
航空会社は目的地までの安全運航はもちろんだが、シートの座り心地や、窓から景色を眺める時間も大切な価値だ。ANAのTikTokアカウントでは、それらを思い起こすことができる。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー