
既にメタバースに近いといわれるサービスが多数登場している中、実は人によって頭に思い描く“メタバース観”には大きな違いがある。それを理解することが、ビジネスの芽を探るには必要だ。そこで今回は、2D・3Dの地図情報を手掛けるマップボックス・ジャパン(東京・港)のCEO(最高経営責任者)である高田徹氏が、メタバース要素を持つサービスを“地政学”という視点で「4象限」に分類しつつ、メタバースビジネス普及の道を分析する。
バズワードともいえる状態となっている「メタバース」。あたかも“夢物語”のように語られることも多く、強い期待が寄せられている。そのため、「メタバースで本当にビジネスが立ち上がるのか」と疑問を持つ人も少なくないだろう。
実は、長いインターネットの歴史から考えれば、メタバースのどこにビジネスチャンスがあるかは明らかだ。
「人」「地理空間」の軸でメタバースを4象限に分ける
インターネット領域のキャリアが長い人なら、「2007年ごろに流行した『Second Life(セカンドライフ)』と何が違うのか」と考えてしまうこともあるだろう。メタバースといっても、実は人によって考え方や見方は様々だ。
メタバースを議論するときに、相手が「セカンドライフ」的なものを考えているのか、あるいはシミュレーション分野で活用されている技術「デジタルツイン」(編集部注:リアル世界から様々なデータを収集し、デジタル上にまるで双子の世界かのように再現する技術のこと)などの話なのか、認識がズレないようにすることが大切だ。
メタバースのビジネスを考える上で、まずは下記のような4象限に分けると理解しやすいだろう。
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