第11回は、2022年の第2四半期(22年4月1日~6月30日)における中国スタートアップへの投資情報を整理・分析する。
2022年の第2四半期(今回は22年4月1日~6月30日、以下第2Q)における中国企業による資金調達件数は計1130件で、推定総額約1554億元(約3兆1469億円)の資金調達が行われた。1件当たりの資金調達額は、1億3750万元(約27億8438万円)となっている。注目業界には、「先進製造」「医療健康」「企業向けサービス」に加え、「自動車交通」「伝統製造」の5業界が挙げられる。また、第2Q終了時点における計29社のユニコーン企業のうち、新出ユニコーン企業は15社。その中でとりわけ多いのが、「先進製造」の7社だ。
1件当たりの資金調達(投資)額が3年間で最少に
22年第2Qにおける中国企業による資金調達件数は、前年同期(1482件)に比べて352件減少、率にして23.8%少なかった。資金調達額は1389億7600万元(約2兆8143億円)低下し、同時に投資1件当たりの平均資金調達(投資)額も1億9861万元(約40億2185万円)から6112万元(約12億3768万円)減少、率にすると30.8%も少なくなっている。
20年から21年は、資金調達件数が1112件から1482件へと370件(33.3%増)もの大幅な上昇を見せると同時に、投資額も1113億6000万元(約2兆2550億円、60.9%)の増加となっていた。よって、投資金額の増加率が投資件数のそれの約2倍となり、1件当たりの投資額は1億6455万元(約33億3214万円)から1億9861万元(約40億2185万円)へと3406万元(約6億8972万円、20.7%)の増加を記録。20年から22年の全体推移では、1件当たりの平均資金調達額が1億6455万元から1億3750万元へと2706万元(約5億4797万円、16.4%)の減少を記録していることが分かる。また、3年間の同期比で見ると、21年の投資件数および投資額ともに、際立って短期的な急増を見せていたことが分かる。
次に、直近3年間の第2Qにおける各業界の資金調達(投資)件数を見てみる。
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