
SDGs(持続可能な開発目標)への対応、エコへの関心が高いZ世代へのリーチ──。今やリサイクルやアップサイクルを前提にした商品開発が必須の時代だ。対応を誤ればブランディング的にも死活問題になりかねない。今回の特集では、大企業から中堅中小、スタートアップまで、様々な取り組みの中から、今できることのヒントを探っていく。初回は、「捨てたくはないけど捨てざるを得ない」という消費者の“罪悪感”を軽減させようというコーセーの取り組みだ。
コーセーは2020年4月、グループとしてのサステナビリティーに関する取り組みと30年までへの具体的な目標を掲げた「コーセー サステナビリティプラン」を策定。このプランに沿って、様々なサステナビリティー推進活動を進めている。
直営店である「Maison KOSE銀座」で実施しているのが、「サステナビリティ ビューティ デー」だ。SDGsの17の目標にちなみ、21年7月から毎月17日に開催している。テーマは「使い切れなかった化粧品を再利用する」だ。コーセーのメイクアップアーティストが、ユーザーが持参した化粧品を使用してマンツーマンでメイクの指導をしてくれるという。これまで8回開催し、全期間通して約45人のユーザーが参加した。
21年10月からは、Maison KOSE銀座や「Maison KOSE表参道」を通して、シーズンオフになった商品を求めやすい価格で販売する「KOSE Green Bazaar(グリーンバザール)」の取り組みもスタートした。これらのイベントをきっかけに、化粧品との向き合い方や、その再利用方法について改めて考えるようになった顧客が増えている。
これら様々な取り組みの中でも化粧品メーカーとしての特性を生かしたアップサイクルとして面白いのが、“化粧品を絵の具に変える”ワークショップだ。21年10月にMaison KOSE銀座で実施したワークショップでは、モーンガータ(東京・練馬)が展開する「SminkArt(スミンクアート)」のキットを活用し、無色の造花に色付けと香り付けを行った。
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