※日経エンタテインメント! 2022年10月号の記事を再構成
8月31日に1stアルバム『BE:1』をリリースし、現在、全国17都市25公演を巡る初のホールツアー 「BE:FIRST 1st One Man Tour “BE:1” 2022-2023」を行っているBE:FIRST。プレデビューから1年が過ぎたタイミングで、改めてSKY-HIがBE:FIRST7人について語った日経エンタテインメント! 10月号の記事を転載する。前編ではSOTA、SHUNTO、MANATOの3人について聞いた。
この1年、BE:FIRSTには、「なぜここでワンマンをやるのか」「なぜロックフェスに出るのか」「なぜホールツアーなのか」など、節目節目ではその意図や課題を真摯に伝えてきたつもりです。それでも彼らにとっては分からないことだらけのまま猛スピードで進んだ1年目だったでしょう。楽しいことやいいことばかりではなかったかもしれない。個々の1年の総括はむしろ僕が聞かせてほしい気持ちがあります。その前提のもとで、僕が見た7人それぞれを話してみましょうか。
SOTAは想像以上に「優しさ」の人
「THE FIRST」の頃からアーティストになることへの本気度がめちゃくちゃ高く、今もそれは周囲に良い影響を与え続けてきたと思います。ただ、チームとしていざ走り出して感じたのが「想像していた以上に優しかった」ということ。他のメンバーもSOTAに感謝していると思いますが、彼らが感謝しているさらにそれ以上に、SOTAの優しい人間性はみんなを助けている部分が確実にあると思います。
常に、全員が前向きにパフォーマンスに臨める状態を作りたがってくれるんです。彼のスキルや振り入れの速度、アティテュードは他のメンバーから頭1つ抜けている。でも、うまくできないメンバーがいれば、仕上がりのクオリティーを下げることなく、ニュアンスを調整してくれるんです。一方で、絶対に固めないといけないところはしっかりやってくれる。そうやってクリエイティブコントロールをしてくれるのは、ダンサーとして獲得してきた知見やスキルだけでなく、本質的な意味での優しさが相当ないとできないことです。
歌手としては、マイクを持つことが板についてきた。これに尽きるんじゃないかなと思います。最近は貫禄みたいなものすら出てきたので、頼もしさがすごくあります。ボーカルコントロールの伸びしろも本当にすごい。『BE:1』でもSOTAの歌に驚かれる方がたくさんいらっしゃると思います。特に『Message』では高音で難しいフックを高い精度で歌っています。毎回見違えるように成長してくれているので、一緒にやっていてとても楽しいですね。
“最高のSHUNTO”を一緒に探して
SHUNTOにはSHUNTOがなりたい自分が明確にあり、それに対して一緒に考えていくような1年だったのかなという気がします。自分のことって自分が1番分からなかったりするし、ともすればデビュー直後に自分がなりたい自分と自分自身の個性を見失って間違った方向に進んでしまうこともあるので、憧れの自分と自分に見合う自分と最高の自分などを真剣に考える必要があると思っているんです。SHUNTOが見せたいパフォーマンスのスタイルや、やってみたい声の使い方・歌い方、ヘアスタイルやカラーとか、いろいろなことに対してトライ&エラーを繰り返しました。今は、僕が思う最高のSHUNTOであり、SHUNTOにとっても「こんなSHUNTOが最高だぜ!」っていうSHUNTOを作れている状況なんじゃないかなと思います。それを見ているとすごく頼もしいし、楽しいし、うれしい気持ちになりますね。
昨年から今のSHUNTOがぼんやりと見えてはいたわけですが、妄想に近いものじゃないですか。それが現実になっていくのは、本当にうれしい。実際、生で見ると「SHUNTO、めっちゃ最高だな」みたいな思いをさせてもらうことがいっぱいあるんです。ただ、まだまだポテンシャルはいっぱいあるから、もっともっと先へ行ける。今後のSHUNTOが本当に楽しみです。
MANATOはとんでもない逸材
彼は完全にBE:FIRSTの「背骨」ですね。スポーツでも音楽でも「オールラウンダー」と呼ばれる人がいますが、MANATOは全てに対して振り切った形での「オールラウンダー」。歌1本で活動している方のなかでもトップクラスに歌がうまいし、ダンス1本のダンサーと同じくらいダンスもうまいし、ビジュアル担当と言われて想像するレベルよりビジュアルもいいし、バラエティタレントでもそうはいないレベルでより面白いし。なんか…恐ろしい存在(笑)。それでいて決して驕らず、音楽や人に対してフラットに接することができるんです。
彼に対しては、僕が甘えているところすらあります。例えば楽曲を作るときに少し難しい曲にしてしまったかなと感じても、最終的には「MANATOがいるから大丈夫だろう」と。楽曲の完成度を担保してくれるんです。しかも、MANATOのうまさは“味”とかだけではなく、シンプルに技術としてうまい。それに、才能×努力×人間性×経験が掛け合わされる。だから本当にすごいし、毎回びっくりするんです。
「THE FIRST」の頃から同じことを言い続けているんですよ。先日、事情があってYouTubeで「擬似プロ審査」での僕の解説動画を見たら、「自分的には、MANATOが『なんだ、この人は!』って言われてないことが正直悔しい」と話していたんです。でも蓋を開けてみれば、今「なんだ、この人は!」って僕が1番感じている。まだまだ世の中はMANATOのすごさやとんでもなさに気づいてない。本当に松坂大輔や大谷翔平のような、世の中の価値観を変えるレベルの逸材だと思います。

『マネジメントのはなし。』 SKY-HI・著
社長・SKY-HIの挑戦をたどれる“ドキュメンタリー本”
課題意識を持つビジネスパーソンへのヒントも満載な1冊
今、音楽業界で最も勢いのあるマネジメント/レーベル「BMSG」。そのCEOであり、アーティストとしても第一線で活躍するSKY-HIの『日経エンタテインメント!』での連載が待望の書籍化!
オーディション「THE FIRST」がムーブメントを起こし、そこから誕生したBE:FIRSTはデビュー1年で紅白歌合戦に出場。2020年9月にたった数人で始まったスタートアップ企業が、なぜここまで急激に成長できたのか。本書は、その時々でSKY-HIが抱える課題や挑戦にフォーカスしたドキュメンタリー的な1冊。「課題解決」「人材育成」「スキルアップ」「コミュニケーション」など、ビジネスのヒントの宝庫ともなっている。
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