※日経エンタテインメント! 2022年8月号の記事を再構成
8月31日に1stアルバム『BE:1』をリリースするBE:FIRST。その後、9月23日からは初の全国ホールツアー『BE:FIRST 1st One Man Tour “BE:1”2022-2023(仮)』(17都市25公演)が行われる。アーティストの活動のフローとして、「ニューアルバムを引っ提げてツアーを周る」ことは一般的だが、これまでもあらゆることに「意味のある」ものを追求してきたSKY-HIは、ここでも軸をブレさせることなく、真摯にその意味に向き合う。
(BE:FIRSTがドームツアーを実現するまでの導線上の)「やりたいこと」と「やらなくてはならないこと」の両方に重なってくるのが、アルバム制作になるのかなと思います。ツアーを周るにはそれ相応の曲数が必要になってくる。さらに、ツアーの前に聴いてもらうフローもあったほうがいいですよね。
アルバムに関しては、最初から最後まで一貫したコンセプトを持たせ、グループのメンバー全員の表現がその方向に向かっていく…というのもカッコいいし素敵だなと僕自身思うのですが、BE:FIRSTの場合はそうではありません。
「意味のある」何かをアルバムに
「“個”が立っている」ことは、やはり意識していきたい。個々の適性が異なっていることを尊重し、音楽性も人間性もそれぞれの方向に伸ばしていくことによって成り立っているグループにしたいから、収録曲の振れ幅はおのずと大きくなっていくと思います。アルバムとしての統一した空気感が作りづらいデメリットはあります。でも、曲の振れ幅も、曲ごとに“立つ”メンバーがころころと変わっていくのも、おそらく聴いていて楽しいものになるんじゃないかなと思っています。
――ストリーミング時代に入ってから、アルバムもシングルも配信サービス上は1曲1曲がフラットに置かれ、アルバム収録曲は必ずしも「1枚を通して聴く」形態でもなくなっている。その中で、「“この時代にアルバムを出す意味”もなくてはいけない」とSKY-HIは言う。
アルバムで新しい人にリーチすることは当然ですが、『Shining One』からBE:FIRSTを応援してきてくれた人たちが「今まで見てきたものに意味があったんだ」と感じてもらえるものにしたい。詳しくはアルバムをリリース後に…と思いますが、1曲1曲が1枚のアルバムになったときに、意味のある並び、意味のある曲だと分かるものにしたい。アートワークに凝ったり、集めたくなる特典を付けたり、所有することで楽しんでもらえること以上の何かを仕掛けてあります。
そういった「意味あるもの」を世に出し続けることが彼ら自身のアーティストとしての奥深さにつながり、BESTYの方々にも彼らの表層的な部分だけではない楽しみを提供できるように思うので。ぜひ、期待してください。

『マネジメントのはなし。』 SKY-HI・著
社長・SKY-HIの挑戦をたどれる“ドキュメンタリー本”
課題意識を持つビジネスパーソンへのヒントも満載な1冊
今、音楽業界で最も勢いのあるマネジメント/レーベル「BMSG」。そのCEOであり、アーティストとしても第一線で活躍するSKY-HIの『日経エンタテインメント!』での連載が待望の書籍化!
オーディション「THE FIRST」がムーブメントを起こし、そこから誕生したBE:FIRSTはデビュー1年で紅白歌合戦に出場。2020年9月にたった数人で始まったスタートアップ企業が、なぜここまで急激に成長できたのか。本書は、その時々でSKY-HIが抱える課題や挑戦にフォーカスしたドキュメンタリー的な1冊。「課題解決」「人材育成」「スキルアップ」「コミュニケーション」など、ビジネスのヒントの宝庫ともなっている。
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