TwitterでBMSGの求人募集を告知したSKY-HI。Twitterの特性上、瞬時にしてファンからの多大な反響が寄せられた。BE:FIRSTを生んだオーディションプロジェクト「THE FIRST」以降は特に、CEOであるSKY-HIが何を目指してBMSGを立ち上げ、今後どんなビジョンを描いているのかについては、ファンに共有されている。求人の場面でも、社としてのビジョンを明確に示していることは大きなメリットに違いない。

一方で、ビビッドなビジョンを掲げて急成長する企業だからこそ、熱狂的なファンも多い。果たして熱狂的なファンは優秀なスタッフになり得るのか。その2つを分けるものがあるとしたら、果たして何なのか。 『日経エンタテインメント!』6月号(5月2日発売)の連載で、求人募集に至った背景や求める人材について詳しく語ってもらったが、本記事ではそれに先んじて気になることを聞いてみた。

▼前回はこちら SKY-HI 観客を「人」としてリアルに認識する感覚の大切さ

 端的に言えば、「当事者意識」と「責任感」だと考えています。そもそも芸能の世界でマネジャーをされている方は、10代・20代でファナティックに「誰かのファンだった」経験のある方が多いと思うんです。でもきちんと職務に責任感を持っていて、かつ優秀な方であれば大歓迎です。僕自身、(大ファンの)YUKIさんのマネジャーをやれと言われても、節度を持って行動できると思いますし。ただ、最初はファンだって言って面倒だと思われたら嫌だなとか思って、ファンだって言わないようにするかもしれませんけど(笑)。担当アーティストに対する当事者意識と責任を持って仕事してくれるのであれば何の問題もないと思っています。当然ゼロに近いまれなケースでもあると認識していますが。

 ただ、それまでファンとして捉えているアーティスト像が、アーティスト自身が本来持つ人格とは異なる場合はあるかもしれません。そういった場合にジョインされても、双方にとって幸福ではないですよね。それは今後、厳しい書類審査をくぐり抜けて面接していけば分かる部分です。

――インタビューは求人募集のほんの数日後。この時点で、応募総数はかなりのものだったと聞いている。膨大なデジタルデータから、まず選ぶポイントはどこにあるのか。

履歴書の中でコミュニケーションが取れているか

 実際に目を通して感じたのは、文章の「改行」や「句読点」で、与えられる印象が大きく変わるということです。目にする側、相手の想像力や配慮。それは、どのセクションにおいても重視すべき点なのかなと思いました。僕自身「ご高配賜りたく」のようなビジネス上での敬語に精通していないけれども、そういった定型文以上に、改行や句読点の位置で文章が読みやすい、履歴書の中でもコミュニケーションが取れている方のほうが好印象を受けたんです。

 特に今の時代はエントリーシートもデジタルデータですし、普段の仕事のコミュニケーションも、社内外問わず、インターネットを介して行う部分が大きいと思います。ならば、文字面でのコミュニケーションが円滑な方のほうがいいですよね。

 お互いを人と人として尊重し合える関係が重要だなと本当に感じますよね。何か1つのことを決める場合でも意見が割れることは往々にしてあるじゃないですか。例えばAさんは右45度の意見を出したけれども、その一方で、Bさんが左35度を主張するみたいな。でも様々な事情を鑑みて、右25度に収めたりすることが仕事の現場ではよく起こります。その時に、35度を主張したBさんに対して「Bさんが言うなら、35度にもこんな意図があったに違いない」と捉えられるかどうか。相手の人間性の理解が仕事の環境に効いてくると思うし、そこは絶対に必要な部分だと思います。

 その社内の人間関係を作るのに役立ったのが、「ランチミーティング」です。これは、こじはる(小嶋陽菜)さんの方法から学んだことなんですけれど、ランチにディナーも加えた社員、スタッフ同士の食事を推奨した上で、お金を会社で負担しました。それが功を奏して社員同士の理解が深まり、距離も縮まった。いいやり方は外側からもどんどん取り入れていこうと思っています。もちろん自分のところに取り入れても、うまくいかないこともあるでしょうけど、組織マネジメントにおいては人の数だけケースが違うとも思うので、トライアル&エラーを繰り返すしかないかなと前向きに割り切っています。

SKY-HI(日高光啓)
1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメーカー、プロデューサーなど、幅広く活動する。2005年AAA(トリプルエー)のメンバーとしてデビュー。同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEOに就任
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