『日経エンタテインメント!』連載の『新・ももクロ61分3本勝負』は、今年デビュー15周年を迎える、ももいろクローバーZのメンバー同士が対決する人気コラムです。日経エンタテインメント! 特設サイトでは、その“延長戦”を掲載しています。今回、話を聞くのはももクロの“鋼少女”高城れにさん、そしてももクロの“アイドル”佐々木彩夏さんです。
――現在発売中の日経エンタテインメント! 3月号では、2022年12月24日、25日にさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で開催された「ももいろクリスマス2022 LOVE」のテーマや演出面について聞いています。こちらの連載では、ももクリとしては3年ぶりの、ダウンタウンももクロバンド(DMB)をはじめとする生バンドとの共演について聞かせてください。
高城 やっぱりバンドさんがいると迫力が違うなって思った。
佐々木 今回のももクリはバンドさんがファンの人たちに近かったんです。ステージで上下する「LOVE」という文字が演出のポイントなので、それが下に降りてもバンドさんが隠れないように前に出ていたみたいで。ファンの皆さんもバンドが近くにいるって感じられたんじゃないかな。私たちも両サイドに行くとき、バンドのみんなと目が合ったりしてコミュニケーションできて楽しかったです。
今回はDMBに加えて、ストリングスとリズム隊も入ってくださったじゃないですか。ストリングスの皆さんが入ってくださるとクリスマス感が出ますよね。
高城 出る出る。あと、リズム隊の皆さんがステージを盛り上げてくれたなという印象もあるよね。
佐々木 確かに。
――おもちゃの兵隊の衣装を着た打楽器奏者がステージ上で演奏とダンスを繰り広げるという展開ですね。
高城 リズム隊がステージに出てきて私たちと一緒に踊ってくれるという演出はこれまでなかったから。新しい感じもするし、やっていてもすごく楽しかった。
佐々木 私はリズム隊の人たちの、演奏しながらダンスを覚えるスキルにびっくりしました。
――あのリズム隊は、ああいうパフォーマンスをする人たちではないんですか。
佐々木 たぶん違うと思います。ももクロで昔から演奏してくれているドラマー、村石雅行さんのお弟子さんなので、たぶん普段は座っている人たちだと思います(笑)。
高城 だからびっくりした。みんな、こんなに踊れるんだって。
高校の同級生と「頑張ろうね」って
――大みそかには日本武道館で50組を超える出演者と8時間にわたる「ももいろ歌合戦」を開催。本誌でも印象に残っていることを聞いていますが、ぜひこちらでは他のアイドルと共演したアイドルメドレーについて詳しく聞かせてください。アイドルメドレーで高城さんはTWICEの『Fanfare』を(ももクロが所属する)スターダストプラネット(スタプラ)の後輩たちと9人で披露しました。
高城 去年もお願いした人もいれば今年からの人もいて。もうあれは趣味ですから(笑)。
ああやってスタプラの人たちと何かをするのは歌合戦ならではですし、リハにももクロのメンバーがいないのが新鮮なんですよ。だからこそ自分もしっかりしなきゃって、いつもとは違うフレッシュな感じも生まれるし。そういうところで練習を重ねて1つのチームになっていくのも6回目だからこそだなって。
佐々木 私はfemme fataleさんの『だいしきゅーだいしゅき』という曲を、東京女子流の山邊未夢さんとやらせてもらったんですけど、未夢は高校の同級生なんです。決まってから連絡を取り合って「若い子たちもたくさんいるけど、頑張ろうね」って(笑)。みんなそうやってモチベーションを上げてきてくれるのがうれしいなって思います。
AKB48さんの『元カレです』をやらせてもらったときは、ほぼスタプラのアイドルたちだった中で、東京女子流の庄司芽生ちゃんとイコラブ(=LOVE)の野口衣織ちゃんと山本杏奈ちゃんが参加してくれて。芽生ちゃんは裏ですごいみんなをまとめてくれて助かりましたし、イコラブのみんなも前日に初めての合わせだったんですけど、忙しい中、完璧に覚えてきてくれていたので、すごくうれしかったです。
2023年、れにちゃんに期待するのは……
――本誌では今年開催される予定のソロコンサートについて聞いています。延長戦では、ぜひ、それぞれが印象に残っている、相手の過去のソロコンについて教えてください。
佐々木 (それぞれのソロコンをまとめたリストを見て)え? 私とれにちゃんのソロコンって1年しか違わないの? そんなことってある?
――高城さんのソロコンが始まったのが15年3月。佐々木さんのソロコンは16年9月からです。
佐々木 そうなんだ。もっと前かられにちゃんはやっているイメージだった。
高城 回数が多いからじゃない?
――高城さんはツアーもやっていますからね。どのソロコンが印象に残っていますか?
高城 私が特に「すごい」と思ったのは20年の配信「A-CHANNEL」(20年7月12日)。新型コロナウイルス感染症が広がって、私もソロコンができなくなって、どうやったら表現できるんだろうって思っていた時期だったんですよ。グループとしての配信の仕方も探り探りだった状況の中、それがソロになったらもっと大変じゃないですか。どうやって表現するのかなと思って見始めたら、あっという間に時間が過ぎていった、すごく楽しかった。こういう表現の仕方もあるんだ、こういうやりかたもあるんだって。アイデアがあって、それを行動に移す力がすごいなって思いましたね。
佐々木 私はホント、17年に両国国技館で2デイズをやった時に、「一生2デイズなんてやりたくない」って思ったんです。だから、れにちゃんは2デイズ、3デイズをやったりするのが本当にすごいなって。体力もそうですし、気持ちの持続もあるし。あと、見には行ってないですけど、沖縄でのライブはうらやましいなと思います(笑)。
――17年7月9日に今帰仁城跡で開催した「ハイサイ!れにちゃん」ですね。
佐々木 行ってないですけど(笑)。写真でしか見てないですけど、すてきだなって。野外ライブでしょう。私たちのソロコンサートでは唯一だと思うし、「その手があったか」って。そういう選択肢もいいですよね。
高城 そこから今帰仁の方々とは今も関係が続いていて。桜の季節になると「パープルデイ」ということで今帰仁を紫でライトアップしてくださったり、先日もロケで行かせていただいたり。ソロコンサートから始まる人との縁があるんだということを実感しています。
――では最後に、これは百田さんと玉井さんにも聞いたのですが(日経エンタテインメント!2023年2月号)、23年お互いに期待することを教えてください。
佐々木 期待することか。ありきたりになっちゃいますけど、ももクロでは誰も見たことがない、30歳、既婚者のアイドルとしての活動を見せてほしいです。「30歳、既婚者」って、アイドルっぽい響きはあんまりないけど(笑)。
高城 現役アイドルとは思えない響きだね(笑)。
佐々木 そんなアイドルが見たいです。ももクロとして開拓していってほしいなと思います。楽しみですね。――って何も変わらないと思いますけど(笑)。
高城 いや、それな。
――では高城さんが佐々木さんに期待することは?
高城 27歳なんて全然まだ輝ける年ですからね(笑)。
佐々木 やっぱり年齢の話にいくのか(笑)。
高城 20代、独身のアイドルとして、まだまだ輝ける年ですから。ももクロは最年少がいるのでごまかせている部分もあるので(笑)、その勢いで“若さアピール”をしてください。
(写真/笹森健一)

発売日 2023年2月3日(金)
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