『日経エンタテインメント!』連載の『新・ももクロ61分3本勝負』は、今年デビュー15周年を迎える、ももいろクローバーZのメンバー同士が対決する人気コラムです。日経エンタテインメント! 特設サイトでは、その“延長戦”を掲載しています。今回、話を聞くのはももクロの“リーダー”百田夏菜子さん、そしてももクロの“若大将”玉井詩織さんです。

ももクロの“リーダー”百田夏菜子さん(左)とももクロの“若大将”玉井詩織さん(写真/笹森健一)
ももクロの“リーダー”百田夏菜子さん(左)とももクロの“若大将”玉井詩織さん(写真/笹森健一)

――2022年11月19日、20日、ももクロは3年ぶりとなるファンクラブイベントを幕張メッセで開催。ファン投票で歌う曲を決める「GTO 2012-2022」と、歌うパートをメンバー間でシャッフルする「なんてこったパンナコッタ2022」を2回ずつ実施しました。現在発売中の日経エンタテインメント! 2月号では「パンナコッタ」の話を聞いていますが、延長戦ではぜひ「GTO」のお話を。

百田 GTOはほぼ久々の曲ばかりだったので、リハーサルが大変でした。4人になってから初めてやる曲もけっこうあったんですよ。『5 The POWER』とか『堂々平和宣言』とか。

玉井 『Wee-Tee-Wee-Tee』とかね。あと『一粒の笑顔で』も。

百田 新曲を覚えるほどではなくても、新しいものを作る感覚はありましたね。同時に懐かしさもやっぱりあって、昔話に花が咲いたりする、そんな時間も楽しかった。『Wee-Tee-Wee-Tee』は振りが若いね、とか(笑)。

玉井 ずっと飛び跳ねているからね。

百田 縦ノリの、スクワットみたいなジャンプでずっと飛んでるから「昔はよくできたね」みたいな話になるんです。歌詞も久しぶりに歌うと、感じ方が変わってくる。

玉井 改めて分かることがあったり。

百田 昔はもう一生懸命にやらないと、というのが前に出ていたんでしょうね。今、改めて向き合うと感じ方が全然違って、それも楽しかった。

玉井 『Wee-Tee-Wee-Tee』は分からなかったけどね(笑)。

百田 確かに。あの曲は改めて何を言っているかちょっと分からなかった(笑)。

玉井 ファービー語だから。[※編集部注 『Wee-Tee-Wee-Tee』は2012年に発売された次世代型電子ペットぬいぐるみ「ファービー」のCMソング]

百田 でもあの曲、スタッフさんにも「かわいい」って人気高かったんですよ。

玉井 かわいいわりに疲れる(笑)。私は『堂々平和宣言』が印象的。昔の映像をみると、みんなサングラスをかけてずっとふざけててるんですよ。それが楽しそうだったので。ライブ会場でサングラスをかけたら何か懐かしい気持ちになりました。

百田 「そうだ、こんな楽しい曲だった」って。

玉井 でもこの曲も歌詞がすごく難しいんですよ。ラップでたたみかけてくるから。

百田 みんなリハーサルではボロボロでした。まず覚え直すというところから全部始めて、初めて歌うパートもけっこうあったので、歌い忘れがないかという心配も常に隣にありながらやっていました。

――ももクロが4人になって5年近くたつわけですが、まだそういう曲があるんですね。

百田 そうなんですよね。それだけ曲がたくさんあるんだなと思いましたし、コロナ禍でライブができない期間があったことも影響しているんだろうなと思いましたね。

「ここからもう逃げられない」と怖かった『吼えろ』

――本誌では「パンナコッタ」で「気持ちが良かった曲」を聞いていますが、逆に「難しかった曲」は何ですか?

玉井 『吼えろ』はやっぱり難しかった。イントロのない、歌始まりの曲って私にはないから。イヤモニをしていると歌の前からクリック音が聞こえてくるんです。もちろん夏菜子ちゃんが歌う『吼えろ』でも聞こえてくるんですけど、歌い出しが自分という状況で聞いたことがないから、めっちゃ緊張しました。

百田 迫ってくる感じだよね。

玉井 そうそう。ここからもう逃げられない、これで自分が歌わなかったら無音が流れるんだなって思う切羽詰まった、鬼気迫る感じで、怖かったです。

――百田さんが玉井さんのパートで難しかったのはどの曲ですか。ふざけていたのは『ROCK THE BOAT』でしたが(笑)。

百田 ちょっと! めちゃくちゃ真剣にやりましたよ。

玉井 いや、ふざけてた。

百田 最後の「You gotta rock the boat」、めちゃくちゃ真剣にやらせていただいたじゃないですか。

玉井 リハーサルからずっと「夕方ロックザボート」って言ってるんです(笑)。だから「夕方じゃないよ」って。

百田 あの曲、リハで玉さんのパートで練習していたんですよ。リハーサルではうまくいかなかったので、本番で黄色になったときはしっかりと役目を務めようと一生懸命臨ませていただきました。なぜか会場から笑い声が聞こえましたけど。

――百田さんが紫パートを担当した2日目の『希望の向こうへ』でも会場に笑いが起きました。

玉井 『希望の向こうへ』とか絶対笑う曲じゃないのに(笑)。

百田 でも、ももクロの曲って歌割りが難しいって改めて思いましたね。

玉井 細かいからね。

百田 いまだにこれだけ歌っている自分のところでも精いっぱいな時があるんですけど、人のパートを歌うと改めてそれを実感しますね。「この間に、この言葉が入っているんだ」とか。バトンパスの受け渡しが一番難しいんですよ。決まっているパスの順番が変わると…。

玉井 分からなくなっちゃうよね。

百田 もうパニック。そういうのが難しいなと思いました。

――ファンクラブ会員の皆さんはそのあたりも楽しんでいましたね。

百田 こういう企画は完全にファンクラブイベントならではのものなので。

玉井 ファンイベは間違った時のほうがマスクの奥で笑ってくれていたような感じがした。普段のライブだったら「ちゃんと練習しろよ」となると思うんですけど、それを受け入れてもらえるのが、ファンクラブイベントならでは、ですよね。

百田夏菜子(ももた・かなこ)
1994年7月12日生まれ。静岡県出身。05年、オーディションを受け、スターダストプロモーション入り。08年5月、ももいろクローバーの結成に参加。キャッチフレーズは「茶畑のシンデレラ」。イメージカラーはレッド。愛称は「かなこぉ↑↑」
玉井詩織(たまい・しおり)
1995年6月4日生まれ。神奈川県出身。05年、小学生のときにスカウトされ、スターダストプロモーション入り。08年5月、ももいろクローバーの結成に参加。キャッチフレーズは「ももクロの若大将」。イメージカラーはイエロー。相性は「しおりん」
日経エンタテインメント! 2月号掲載の「ももクロ3本勝負」は?
現在発売中の日経エンタテインメント! 2月号「ももクロ3本勝負」では、ファンクラブイベントで開催された、歌うパートをメンバー間でシャッフルする「なんてこったパンナコッタ2022」のお話や『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』とのコラボ曲『Majoram Therapie』、そして2023年、百田さんが玉井さんに、玉井さんが百田さんに期待することについても聞いています。
表紙&巻頭インタビューは乃木坂46。メイン特集は「2023年の新主役100人」。徐々にコロナ禍から復調しつつある2023年のエンタテインメント界で輝く期待の星は誰か。俳優、音楽、芸人など、オールジャンルから注目の才能を紹介します。

発売日 2023年1月4日(水)
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表紙 乃木坂46

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