
「忙しい共働き家庭の家事負担を減らしたい」とAntway(東京・千代田)が開始した手作り総菜の宅配サービス「 つくりおき.jp 」。CTR(クリック率)の高かったターゲティング広告に厳しい意見が付いたのをきっかけに、社内外の態勢を再構築したという。その経緯と気付きとは。取締役CMO(最高マーケティング責任者)の小川未来氏に聞いた。
「配慮が足りなかった。当社の伝えたい方向性に対して違うことをしてしまった」
こう語るのは、Antwayの取締役CMO、小川未来氏だ。Antwayは、「あらゆる家庭から義務をなくす」をミッションに2018年に設立。多忙な現代人が、家族や仕事、趣味の時間など「機会」をより自由に得られるようにするためのサービスを手掛ける。20年2月、まず共働き世帯に向け、家事負担の大きい食事作りの義務を軽減しようと手作り総菜の配達サービス「 つくりおき.jp 」を開始した。
ライバルはデパ地下に並ぶ総菜。手作りのおいしい総菜にこだわり、栄養士が週替わりのレシピを開発する。「冷蔵」で届けるのは、開封から食卓に並べるまでの時間と味の担保が理由だ。製造過程で保存料は添加していない。「買いに行く手間や調理の手間を削減し、味と栄養のバランスにも配慮した。ミールキットや家事代行サービスに負けない仕様」と小川氏は説明する。
想定したのは、親2人・子供2人の4人家族。週に3食プランと5食プランがあり、それぞれ4人分が届く。3食プランは週に8424円、5食プランは同じく1万3824円(共に送料、税込み)で1食1人当たり約700円の換算だ。注文から配達日指定、決済までをLINEで完了する。自社キッチンの開設に合わせて配達エリアを拡大し、現在は東京23区と三鷹市、武蔵野市、さらに神奈川、埼玉、千葉の一部エリアを対象としている。
20年2月のサービス開始後、11月には累計30万食を突破。配達可能な世帯数は広告出稿でほぼ“完売”になると小川氏は語る。
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