デジタルサイネージ最前線 第5回

タクシー車内のデジタルサイネージ向け広告販売などを手掛けるIRIS(アイリス、東京・港)が、新たなサイネージメディアを開発した。ゴルフカートの後部座席にタブレット型のデジタルサイネージを設置し、広告メディアとして2022年9月から正式に販売を開始する。

後部座席にタブレット型デジタルサイネージを設置した「成田ヒルズカントリークラブ」のゴルフカート(出所/IRIS)
後部座席にタブレット型デジタルサイネージを設置した「成田ヒルズカントリークラブ」のゴルフカート(出所/IRIS)

 タクシーサイネージメディア「Tokyo Prime」を開発・運営するIRISは、ゴルフカートナビ大手のテクノクラフト(新潟市)と提携し、ゴルフカートの後部座席にタブレット型のデジタルサイネージを設置して、「Golfcart Vision powered by Tokyo Prime」と名付けて広告メディアとして広告主に販売する。

 当初は首都圏にある4つのゴルフ場に置かれた、原則すべてのゴルフカートに10.3型のタブレット型デジタルサイネージを設置する。サイネージの数は計243台。すべてのサイネージを合わせてリーチできる来場者数は、月間で約1万2000人。1人の来場者がカートに乗車している時間は1ラウンドにつき60~90分を見込んでいる。

「Golfcart Vision powered by Tokyo Prime」(デジタルサイネージ)を当初に設置する首都圏近郊の4つのゴルフ場
「Golfcart Vision powered by Tokyo Prime」(デジタルサイネージ)を当初に設置する首都圏近郊の4つのゴルフ場
デジタルサイネージを後部座席に設置したゴルフカート
デジタルサイネージを後部座席に設置したゴルフカート

 サイネージに配信する内容は、最大600秒(10分)を1コマと捉え、その1コマをゴルフカートのエンジンがかかっている間に繰り返し配信する。原則は動画で、音声は再生しない。1コマの中では、最大30秒の情報コンテンツ枠計10と、最大30秒の広告枠計10を、交互に配信するのを原則とし、広告ではない情報コンテンツとしては当初、当該ゴルフ場が保有するコンテンツや各自治体の近隣情報、ゴルフ関連の情報などを流す。広告メニューとしては、例えば4つのゴルフ場計243台のサイネージに、10枠で広告を出稿した場合、1カ月で80万円(税別)になる予定だ。

ゴルフユーザーの19%が個人年収1000万円以上

 IRIS副社長の宇木大介氏は、ゴルフカートの後部座席にサイネージを広告メディアとして展開する理由を、「首都圏近郊の高級ゴルフ場のユーザー層は比較的富裕層が多い。こうした富裕層に商品やサービスを売り込みたい自動車メーカーや高級ゴルフ用品メーカー、宝飾品関連などの広告主の出稿が見込める」と語る。実際、マクロミルが首都圏のゴルフユーザーを対象に実施したネット調査(有効回答者数561人、22年8月実施)によると、「個人の年収が1000万円以上」と回答した割合が19%にも達する。

 IRISは複数の広告会社に既に広告枠の営業を打診中で、手応えはあるという。今後はできるだけ早い時期に参加するゴルフ場を1カ所増やしてサイネージの台数を約300台とし、広告メニューも月単位だけでなく、半月単位や週単位の出稿が可能なメニューの開発を検討する。さらに、サイネージメディアへの広告出稿だけでなく、ゴルフ場での商品サンプリングの展開やモニター調査といったメニューも開発し、広告主に提供していく考えだ。「軌道に乗れば、将来はゴルフカート数千台規模のサイネージメディアに育てていきたい」と宇木氏は話す。

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