デジタルサイネージ最前線 第2回

このところ、リアル店舗内にデジタルサイネージを自ら設置する小売店が増えてきた。広告収入という新たな収益源の獲得を視野に入れる場合もあるが、それ以上に、どこもリアル店舗の売り上げ増を狙っている。ファミリーマートとトライアルホールディングスの取り組みを追った。

ファミリーマートのレジ上に子会社ゲート・ワンが設置し始めたデジタルサイネージ(ファミリーマート晴海センタービル店、出所/ファミリーマート)
ファミリーマートのレジ上に子会社ゲート・ワンが設置し始めたデジタルサイネージ(ファミリーマート晴海センタービル店、出所/ファミリーマート)

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 ファミリーマート店内へのデジタルサイネージの設置とコンテンツの配信を手がけるのは、ファミリーマートとその親会社である伊藤忠商事第8カンパニーが2021年9月に設立した新会社ゲート・ワン(東京・港)だ。ファミマの店舗にあるレジ上にスピーカー付き32~60インチのディスプレーを3面配置し、そこへコンテンツや広告など主に動画を配信するメディア事業を手がける ▼関連記事:ファミマがレジ奥に「サイネージ」設置 伊藤忠と新会社も設立

 「デジタルサイネージの設置は予定通り順調に進んでいる」と話すのは、ゲート・ワンの藏田一郎社長だ。22年春までに全国のファミマ約1万6600店舗のうち3000店舗へデジタルサイネージを導入し、月間延べ8200万人以上と接触可能なメディアを構築する予定だった。それが2月中に1000店舗設置のめどが立ち、「3000店舗への設置完了も視野に入ってきた」(藏田氏)という。

 デジタルサイネージの設置が順調に進んでいる背景には、実際に店を運営しているFC(フランチャイズチェーン)のオーナーからの相次ぐ早期設置要望がある。なぜなら、デジタルサイネージを設置すると、店内の陳列商品の売り上げがアップすることが証明されつつあるからだ。

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