2022年2月4日発売の「日経トレンディ 2022年3月号」では「得する相続」を特集。親が亡くなった後の遺品整理は気の重い作業だ。トラブルや後悔なく終えるにはどうすればいいのか。基本的な考え方や遺品整理業者の見極め方は? 現金や通帳を見落とさずに探すコツは? 過去2000件の遺品整理を手掛けてきたプロに、手順やポイントを聞いた。
※日経トレンディ2022年3月号の記事の一部を掲載。詳しくは本誌を参照
親が亡くなった後、実家をどうするにせよ必要なのが「遺品整理」。早期退去が必要な賃貸マンションから田舎の広大な民家まで、物の量もかけられる時間も、遺品を巡る状況も様々だ。そこで、さいたま市で「遺品整理の埼玉中央」を営み、現在までに約2000件の遺品整理を手掛けてきた代表の内藤久氏に、誰でも参考にできる、遺品整理についての基本的な考え方や手順について聞いた。
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基本の選択肢は「①すべて自力で片付ける」「②ある程度片付けたうえで遺品整理業者に依頼」「③ほぼすべての作業を遺品整理業者に依頼」の3つだ。まずは兄弟姉妹など、関係者全員で実家に入り、処分する物の量や状態、作業に割ける時間やコストを考慮し、どのパターンで整理を進めるか方針を決める。このときに、関係者の中で誰がリーダーシップを取るかも相談し、細かい判断は一任しておくと、何かあるたびに都度合意を取らなくて済む。
最初の貴重品確認は関係者全員で
「親の死後に最初に実家に入る時だけは、関係者全員で行き、一緒に主だった貴重品を確認した方がいい。あるはずの高価な貴重品が出てこないといった事態が起きて、あらぬ疑いから関係が悪くなるのを防げる」(内藤氏)
現金や通帳、宝飾品などの貴重品は、この最初の確認時にすんなりと出てくる物もあれば、実際に棚やタンスを空っぽにして整理する中で、思わぬ場所から見つかる物もある。本の間に挟まった現金などを見落とさずに、完璧に回収するのはプロでも難しいという。
「80代以上の世代には現金主義の価値観が根強く残っている。金庫など分かりやすい保管場所もあれば、へそくりや泥棒対策で隠されていることも多い。タンスの下に預金通帳が敷いてあったり、引き出しを抜いた奥の隙間に現金入り封筒が落ちていたりするのはよくある例」(内藤氏)
残された郵便物に、資産や生前の交友関係の情報
実家の中から見つかる貴重品の他に注意しておくべきなのが、把握できていない休眠預金などの手掛かりだ。特に、親が実家に保管している郵便物には、金融機関からの通知や生前の交友関係も含めて様々な情報が詰まっている。紙ゴミとして安易に捨てないよう気をつけたい。
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