2022年2月4日発売の「日経トレンディ2022年3月号」では、「得する相続」を特集。デジタル遺品でやっかいなのがクラウド上にあるデータだ。もしものときに家族に残すため、アップルやグーグルが提供する特別なプログラムを設定しておきたい。「アップルなら丸ごとデータを残せる」「遺族に見られたくないデータはグーグルに集約」など、クラウド遺品整理の作法を紹介する。

※日経トレンディ2022年3月号の記事の一部を掲載。詳しくは本誌を参照

アップルが2021年12月にクラウドデータを相続できるプログラムを開始した
アップルが2021年12月にクラウドデータを相続できるプログラムを開始した

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 故人のスマホやパソコンにまつわるデジタル遺品でやっかいなのが、クラウド上にあるデータだ。実は多くのクラウドサービスは、契約者本人のみに利用権を認める(法律用語で一身専属性と呼ばれる)ことを利用規約で定めている。つまり、相続人であろうと継承できないのが一般的だからだ。サーバーにアップしてある書類や写真はもちろん、ブラウザータイプのメールや日記サービスを利用していて、その内容を家族に残したい場合は注意が必要になる。

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 ただし、アップルやグーグルが提供するクラウドについては、これを相続できる特別なプログラムが用意されている。デジタル遺品を継承してほしい家族や友人を生前に指定する手続きをしておくと、死後に自分のデータへアクセスする権利を当人に与えられる。

 iPhoneユーザーの場合、アップルが2021年12月に開始した「故人アカウント管理連絡先」を設定しておけばOK。最新バージョンのiOS15.2で追加された機能で、設定画面でアドレス帳から相手を指定すると、アクセスキーとQRコードが発行される。これを、紙で印刷して渡すかSMSで送信すれば手続きは完了。送信先は複数人登録できる。

 自分の死後、アクセスキーを受け取った家族は、窓口となるウェブページで死亡証明書とアクセスキーを使って申請する。これで、著作権のある電子書籍など一部を除いて、iCloudに保存してあるメールやカレンダー、通話履歴などへアプローチ可能になる。3年間たつと削除されるので、その間に残しておきたいデータをダウンロードしておけばよい。

 アップルのプログラムをうまく使えば、スマホの中身を家族に全部さらしてしまうことなく、連絡先や写真、財産目録といった重要データだけを家族に残せる。

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