※日経エンタテインメント! 2022年1月号の記事を再構成

2020年10月期のテレビ東京の連ドラ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(通称『チェリまほ』)で話題になり、21年の大河ドラマ『青天を衝け』では新選組の土方歳三を演じた町田啓太。インタビュー後編では赤楚衛二との再共演でも盛り上がったドラマ『SUPER RICH』について、そして22年にかける思いを聞いた。

前編はこちら

1年半ぶりの舞台に「貴重な時間だな」と

――町田が所属する劇団EXILEのメンバーが総出演するドラマ『JAM-the drama-』(ABEMA)が8月から配信されたほか、10月からは『JAM-ザ・リサイタル-』の公演で全国を回った。

町田啓太氏(以下、町田) 映画『jam』(18年)から続く世界観の作品なんですが、同じ役柄を長くできることは、それだけ深く演じられることなので、大切にしたいなと。SABU監督が面談をして、そこからキャラクターを起こしてくださっているんですね。僕が演じるタケルは二面性のある役で、ハードルの高い役を任せてもらえたことは「頑張れよ」っていうエールでもあるのかなと思って、精一杯演じました。

 『JAM-ザ・リサイタル-』は、以前『勇者のために鐘は鳴る』(20年)という舞台でもご一緒した川本成さんが演出なんですが、映像とはまた違ってコミカルな感じで。僕はスタンドアップコメディのように、序盤からしゃべり倒すキャラクターなので、「トチったらすべてが崩れるな」とか思いながら(笑)。公演は1年半ぶりくらいで、新型コロナで自粛などもあったなか、みなさんと一緒に演劇を楽しめるのはやっぱり貴重な時間だなと感じました。

――21年末は連ドラ『SUPER RICH』(フジ系)に出演。ベンチャー企業の社長・氷河衛(江口のりこ)を尊敬し、秘書のように彼女に尽くす宮村空を演じている。『チェリまほ』後の赤楚衛二との再共演という点でも話題になった。日経エンタテインメント! の以前の取材(21年11月号)で、金城綾香プロデューサーは「町田さんは困り顔も素敵なので、困らせる役を」という狙いもあったと言っていたが…。

町田 あ、そうだったんですね。変な笑い声出ちゃいました(笑)。いやー、ひたすら困ってましたよ。そういうことだったのか…。脚本で疑問に思ったときに、金城さんにはたくさん相談してました。僕の意見も聞いてくれますし、親身になって話してくれるので、より一緒に作らせてもらっている、参加できている実感があります。

 空は、とにかく揺らがない「忠誠心」で、衛さんについていくんですね。見ようによっては「そんなふうに来られたら、人って戸惑わない?」っていうぐらいに。だから、どういうところからその気持ちが動くんだろうと最初に考えて。4話で明らかになりましたが、彼の過去の傷に寄り添ってくれたことへの感謝とか、心からお返ししたいと思っているんだと分かったときに「なるほど」と腑に落ちて、その繊細な部分を広げるようにしました。

再共演が「早い」とは思わなかった

町田 赤楚君との再共演を聞いたときは、「あ、また一緒にやれるんだ」っていう感じ。「早いな」とかは全然思わなかったです。僕自身、赤楚君とはスクラムを組んで、一緒に作品を作れた仲間なので信頼していますし、オリジナル作品で、それを根底から一緒に作っていけるのは、すごく楽しみだなと思いました。

 以前から、また全然違うキャラクターとか関わり合い方で、みなさんをいい意味でびっくりさせられたらいいよねって話はしていたんですよ。赤楚君が演じている優を空がけん制したり、言い合ったりするシーンもあって、2人で「こういうシーン、もっとやりたいね」とか(笑)。休憩中もよくしゃべってました。

――21年は、特別展『北斎づくし』のアンバサダーや、「めちゃコミック」とテレビ東京の共同プロジェクトで、マンガ化とドラマ化を同時に実現する作品を選ぶコンテスト『僕を主人公にした漫画を描いてください! それをさらにドラマ化もしちゃいます!!』(通称『#僕ドラ』)が始動したりと、俳優以外の仕事にも広がりがあった。

町田 声のお仕事はずっとやってみたくて、朗読を担当したNHKの『100年のアトリエ 画家・野見山暁治』が最初だったんですが、その後も『「明日へつなげよう」あの日から~震災遺児の10年~』でもナレーションをさせていただいて。『北斎づくし』はアンバサダーを通して、音声ガイドにも挑戦させてもらえたんです。僕も美術館で音声ガイドを聞きながら、「いつかこういうお仕事もやってみたい」と思っていたので、うれしかったですね。

 『#僕ドラ』は、企画を聞いた瞬間から始まるのが楽しみすぎて。常々、イチから物作りに関わってみたい気持ちがあったのと、僕、マンガが大好きなんですよ。マンガ家を夢見る方に、自分を主人公にマンガを描いてもらえるなんて、特別感が半端ない。喜びに満ちてます、今(笑)。

――現在31歳で、21年は30代に入っての1年だった。22年に向けて考えていることは。

町田 どう成長できたのかは分からないんですが、自分自身が考えていることや、思いみたいなことを伝えていいんだなとは感じてきてます。そうすると、ちゃんと聞いてくださる方がいて、そのおかげで、どんどん広がりが出てくる。作品を通して一生懸命、また新たにやっていきたいです。自分主導でアプローチするようなことにも、いつか踏み出したいという願望もあります。もともと興味を持ったら何でもやってみたいという性格なので、そこは大事にしつつ、いろんな人に思い切り甘えながら頑張っていきたいです。

町田啓太
まちだ・けいた 1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年に劇団EXILEのメンバーに。ドラマでは『花子とアン』(14年)、『美女と男子』(15年)、『人は見た目が100パーセント』(17年)、『中学聖日記』(18年)、配信『今際の国のアリス』(20年、Netflix)、『SUPER RICH』など。映画では『前田建設ファンタジー営業部』(20年)など。審査員を務めたコンテスト『僕を主人公にした漫画を描いてください! それをさらにドラマ化もしちゃいます!!』から生まれた主演ドラマ『ダメな男じゃダメですか?』がテレビ東京系で放送中。人気ドラマを映画化した『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』は4月8日公開。

(文/内藤悦子、写真/橋本勝美、スタイリスト/石川英治(tablerockstudio)、ヘアメイク/SHUTARO(vitamins))

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