
バルクオム(東京・港)は、パウチ素材のパッケージや、有名タレントを起用した広告など、メンズスキンケア市場でスタイリッシュな世界観をつくり上げている。その裏側にあるのが、顧客第一主義の商品開発とマーケティング。2021年8月に初の男性メイクアップラインを立ち上げて人気となっているが、その堅実な姿勢は、本質的な商品構成からにじみ出る。
「化粧水と乳液の違いは何?」「スキンケアやメイクアップに関心があるけれど、何をどう選べばいいか分からない」。そんな初心者の男性でも「迷わず買える」ブランドが、「BULK HOMME(バルクオム)」だ。バルクオムは、2013年に創業した男性向け化粧品スタートアップで、ブランド立ち上げ時は、洗顔料と化粧水、乳液の3品からスタート。看板商品の洗顔料「THE FACE WASH」は、累計出荷数が300万本を突破した。
そんなバルクオムが21年8月、メイクアップラインを立ち上げた。取扱商品は「THE IMPRESSION(アイブロウブラッシュ)」「THE CORRECTOR(コンシーラー)」「THE SHIELD(フィックスミスト)」の3種類。眉を整えるアイブロウは4色、くすみやシミなどをカバーするコンシーラーは、10色ラインアップした。
基本に忠実に、迷わせない
好調な売れ行きの背景にあるのが、初心者でも選びやすい商品構成と啓発活動だ。商品開発やマーケティングは顧客第一主義で堅実に取り組み、使い方の説明を工夫している。スキンケア商品は肌質に合わせた展開はなく、各1種類。バルクオム製品企画部部長の西村奈津美氏は、「自分では油分が多いと思っていても、実は水分不足ということもある。そうした間違いを避けるためにも、1種類ずつの展開にした。肌にとって根本的に必要なものを与えられる“THE 基礎化粧品”を開発した」と説明する。
この記事は会員限定(無料)です。