家電デザインの新潮流 第6回

特集6回目で紹介するソニーの一押しプロダクトは動画撮影に特化した2台のカメラ。シューティンググリップ付きで自撮りを意識した「VLOGCAM ZV-1」と、ハンドル付きで高い描写力と機動力を両立した「FX3」だ。

デジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」シリーズ
デジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」 2020年6月発売のソニー「VLOGCAM ZV-1」。バリアングル式モニターを横に開き、映像を確認しながら自撮り可能。シューティンググリップ付きの「VLOGCAM ZV-1G」11万3901円(税込み、ソニーストアの価格)。「2021年レッドドット・デザイン賞プロダクトデザイン部門のベスト・オブ・ザ・ベスト」「iFデザインアワード2021」を受賞
2020年6月発売のソニー「VLOGCAM ZV-1」。バリアングル式モニターを横に開き、映像を確認しながら自撮り可能。シューティンググリップ付きの「VLOGCAM ZV-1G」は11万3901円(税込み、ソニーストアの価格)。「2021年レッドドット・デザイン賞プロダクトデザイン部門のベスト・オブ・ザ・ベスト」「iFデザインアワード2021」を受賞
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーの「VLOGCAM ZV-1」は、動画撮影に特化したデジタルカメラだ。特徴は、本体下部に取り付ける「シューティンググリップ」。これを持ち、バリアングル式モニターを横に開けば、映りを確認しながら動画を手軽に「自撮り」できる。録画ボタンやズームボタンを内蔵したこのシューティンググリップは、三脚としても使用可能だ。

ズームボタンなどを搭載したブルートゥース対応のシューティンググリップは、三脚としても使える
ズームボタンなどを搭載したブルートゥース対応のシューティンググリップは、三脚としても使える
[画像のクリックで拡大表示]

前回(第5回)はこちら

 VLOGCAM ZV-1は、数年前、ソニーのデザイン部門であるクリエイティブセンターのメンバーが、米国のトレンドとして、SNS上で静止画を扱う感覚で動画を扱う「ブイログ」「ブイロガー」の存在に着目したことが開発のきっかけとなった。その後、商品企画や設計のメンバーたちとともにヒアリングなどを実施。ブイロガーが、「録音できていなかった」「ピントが合っていなかった」などといった理由で動画の閲覧者に離脱されるという課題を抱えていることが分かった。

ソニーの強みを生かした自撮り機

 VLOGCAM ZV-1は、オートフォーカス技術やサウンド技術など、ソニーの強みを活用し、自撮りを強く意識して開発した動画カメラだ。デザイナーは製品化に向けて、自撮りのしやすさや、動画撮影にふさわしいプロダクトデザインを模索した。最終的に、シューティンググリップに合わせた本体は、まったく新しい形ではなく、従来のデジタルカメラのスタイルにした。このほうがカメラと一目で分かり、使い勝手や信頼性も高い。自撮りにも、持ち運びにも便利なシューティンググリップは、ケーブルがレンズやモニターにかかったり、マイクに当たって音を拾ったりしないよう、ブルートゥース対応でワイヤレス接続を可能にした。こうした、動画撮影を失敗させない工夫を多く施している。

この記事は会員限定(無料)です。