
東芝ライフスタイルの一押しプロダクトは、ドラム式洗濯乾燥機「TW-127XP1」と、コンベクション調理もできるオーブントースター「HTR-R8」。いずれも「details matter」と呼ぶ同社のデザインコンセプトに基づく商品だ。普段の使い勝手や普段のデザインを大切にしている。
東芝ライフスタイル コンシューマイノベーションセンター デザイン担当主務
東芝ライフスタイル コンシューマイノベーションセンター デザイン担当
東芝ライフスタイルは2016年7月から中国企業Mideaグループの傘下にあるが、「TOSHIBA」ブランドの生活家電は東芝ライフスタイルが中心になって企画・開発を推進している。東芝ライフスタイルが掲げるdetails matterとは「普段の使い勝手」「普段のデザインを大切にする」ことが狙い。ブランドステートメントの「タイセツを、カタチに。」にも通じる考え方だ。「私たち東芝ライフスタイルは、細部までタイセツにした、家電でこたえていきます」と同ステートメントで述べるなど、細部のデザインにこだわる姿勢を打ち出している。インテリア関連や音響機器メーカーから転職したデザイナーも多いため、家電メーカーとは異なる視点でデザインを手がける例もあるようだ。今回の一押しプロダクトを見ると、家電ながらインテリア関連や音響機器のようなこだわりがある。
ドラム式洗濯乾燥機の「TW-127XP1」は“ZABOON(ザブーン)”の商品名でも知られる洗濯機・洗濯乾燥機シリーズのハイエンドモデル。21年9月に発売した。前機種は15年の発売だったため、今回は時代のニーズに合わせてデザインを見直した。開発に先立ち、ユーザー調査を実施した結果、「インテリアに調和させたい」「生活感を出したくない」といった声が多かった。「そこで正面から見たときの部品や線といった要素をできるだけ減らして周囲に溶け込ませるようにしつつ、ハイエンドモデルとしての高級感も持たせるようにした」(デザインを担当したコンシューマイノベーションセンター主務の中台龍太氏)
できるだけフラットな窓を
最も重視したデザインは、商品の「顔」といえそうなドラムの窓の部分。ヒンジや手で持つ部分などが見えてしまい、デザイン性を損なっていた。そこでヒンジの位置を改めて設計して正面をすっきりとさせた。ヒンジや手で持つ部分は見えにくくなり、円形の窓だけのような印象になった。
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