セブン―イレブンのように、本家・米国企業を買収し、独自のビジネスモデルを確立して世界へ。シニア向けフィットネスの「カーブス」が新型コロナウイルス禍を乗り越え、再成長に向かっている。カーブスホールディングス(HD)の増本岳社長は「強みはコミュニティービジネスであること。今後の値上げについてもそこまで心配していない」という(聞き手は日経MJ編集長 永井伸雄)。
――カーブスを始めたきっかけは何ですか。
増本岳社長(以下、増本) ベンチャー・リンク在籍時に、中高年向けの新ビジネスを探していました。カーブスは米国ではダイエットビジネスでした。健康もこれからの時代は有望だろうと、米国で創業者のゲイリー・ヘブンさんに会いました。実際にお店を見て、日本で女性限定のシニア向けにすれば可能性があるだろうと考えました。
シンプルな運動プログラムですが、運動科学など最先端を取り入れています。なによりコミュニティーを大事にするところにひかれました。でも、それは米国でも一部の店舗でした(笑)。お客様が喜んでいる姿を見て、世の中に役に立っていることも実感。ゲイリーさんに日本でやる意義、成功する自信があることを伝えました。
カーブスHD社長
――当初は、苦労したそうですね。
増本 かなり苦労しました。特に新規の集客です。認知が低く、周囲からはそんな市場はないと言われました。でも、フィットネス業界の参加率は3%程度とされ、97%が行っていないのだから市場は大きいはずです。
直営店の滑り出しは好調。2006年ごろから加盟店を募り、2年で600店程度になりました。ただ、多くは赤字。そこでお客さまを50歳からと明確にしました。ダイエットしたい若い人と、健康のためという50代以上では運動に求めるものが違います。明確にしたことでコミュニティーが生まれ、口コミでの紹介が広がりました。
コロナ禍の大打撃、どう乗り越えたのか
――成長を続けてきたところでコロナ禍です。
増本 大打撃です。上場直後で、全店休業せざるを得なくなって。スポーツジムはクラスターの温床みたいな風評も流れてしまいましたが、とんでもない誤解です。顧客の中心がシニアだったこともダブルパンチ。でもコロナ下でも運動しないわけにはいきません。専門家に聞くと、コロナ禍は長引く可能性が高いと。
――そこで、発想を変えたんですね。
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