ヤマダホールディングス(HD)がアマゾンジャパン(東京・目黒)と共同開発したスマートテレビの販売を始めた。家電から住宅関連まで取り扱う「暮らしまるごと」戦略で構造改革を進めてきたヤマダ。その総仕上げには最新のテクノロジーを使ったソフト開発力が必要とみて、家電販売のライバルであったアマゾンにあえて協業を持ちかけた。
「販売はかなり順調。さらなる協業の自信が付いてきた」
ヤマダホールディングス(HD)の山田昇会長兼社長は、独占販売契約を結ぶ家電メーカーの船井電機とアマゾンジャパンの3社で共同開発したスマートテレビについて確かな手応えを語った。大型店では2022年3月5日から専用の売り場を設けて消費者への訴求を始めており、目玉商品に据えている。
共同開発したテレビの最大の特徴は、アマゾンのネット動画配信機器「ファイアTV」を国内向けのテレビとしては初めて内蔵した点だ。地上波放送やネット動画などあらゆるコンテンツを1つのホーム画面から選択できる。音声操作やテレビを利用する人ごとのアカウント管理などアマゾンが得意とする機能も盛り込んだ。
価格は大きさによって異なり、5万~14万円程度で、年間販売台数は25万台を目標にする。薄型テレビの国内出荷台数で、まずは5%程度を奪いたい考えだ。
家電量販店とネット通販は消費者を取り合うライバル。ビックカメラがアマゾンに出品するなど一部で協調する動きはあったが、ヤマダHDやヨドバシカメラなどはアマゾンと一定の距離を取っていた。ヤマダHDは一時期、ネット通販との競争でプライスリーダーを目指した結果、13年4~9月期に営業赤字に陥った経緯もある。
なぜヤマダはアマゾンと組んだのか?
そのヤマダHDがなぜアマゾンと組んだのか。山田会長兼社長は「ハード屋では時代を先取りできなくなった。ソフトに強いアマゾンと組んだ方が得」と語る。今回の共同開発もヤマダHD側から2年ほど前に話を持ちかけたという。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー

日経MJ購読のご案内
新しい“売り方、買い方”を
いち早く伝えるマーケティング情報紙!
週3日発行(月・水・金)
■詳しくはこちら