人気アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を日本で手がけるゴールドウインの業績が好調だ。ファッションとスポーツを融合したアスレジャー需要を取り込み、新型コロナウイルス下の2022年3月期の売上高は過去最高の見通し。成長戦略として販売チャネルの多角化とサステナビリティーを重視した商品展開を掲げ、ビジネスモデルの再構築を進めている渡辺貴生社長に戦略を聞いた。
独自ブランド、世界に広げる
――21年12月にオリジナルブランド「ゴールドウイン」の直営店を中国に初出店しました。
渡辺氏 これまで米サンフランシスコと独ミュンヘンに海外直営店を出店してきました。中国・北京の新店舗を成長機会の高いアジア市場の起点にすることで、社名の『ゴールドウイン』を冠したオリジナルブランドを世界に広げたいです。
海外のビジネスチャンスはますます広がるとみています。ザ・ノース・フェイスをはじめ海外から導入したブランドは商標の関係などで制約があり、日本以外で事業を広げるには難しさを感じていました。オリジナルブランドであれば海外で展開しやすい。現在、売り上げの9割以上を国内が占めます。今後は韓国や欧州への出店も視野に、まずは海外売上比率10%を目指します。
――北京の直営店の特徴は。
渡辺氏 スキーウエアからスポーティーなデザインの日常着まで幅広く取り扱っています。アウトドア愛好家でない人でも着回せる商品もそろえました。床や壁は落ち着いた色合いにして日本文化や自然の美しさを表現した店づくりをしています。リアル店舗はブランドの発信拠点、消費者とのコミュニケーションの場です。通りを歩いている時に目に入り日本ブランドとして認知度向上を目指します。ECモールへの出店も併用して売り上げを伸ばしたい。
――中国市場のポテンシャルをどう見ていますか。
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