家電やデジタルの展示会「CES 2022」の主軸テーマはサステナビリティー(持続可能性)だった。その延長線上にあり、二酸化炭素排出や気候変動などに関連するフードテックの話題も多く見られた。同分野の専門家であるシグマクシス(東京・港)の岡田亜希子氏と田中宏隆氏が見どころを解説する。

フードテックがCESの注目テーマとして紹介された。画面は米民生技術協会(CTA)が米国時間2022年1月5日に開いた説明会の様子
フードテックがCESの注目テーマとして紹介された。画面は米民生技術協会(CTA)が米国時間2022年1月5日に開いた説明会の様子

前回(第8回)はこちら

 CES 2022の本イベントが始まった米国時間2022年1月5日、朝一番となる講演でCESを主催する米民生技術協会(CTA)は、CESの新たな注目のテーマとして「フードテック」を紹介した。

 国際的な食のイベント「スマートキッチン・サミット」創設者のマイケル・ウルフ氏が、CTAに「CESでもフードテックを取り上げてはどうか」と提案したのは2016年のことだった。残念ながら当時のCTAはあまり関心を示していなかったのだが、その後フードテックは大きな広がりを見せた。19年には、米インポッシブルフーズが植物性の代替肉で作った「インポッシブルバーガー2.0」を発表。当初は数軒の店が提供するにすぎなかったこのバーガーを、今や全米のレストランやウォルマートなどのスーパーでも取り扱い、シンガポールなど米国以外でも食べられるようになった。

 調理家電の進化も、フードテックの将来を展望するうえで重要な視点の1つ。ネット接続に対応し、家庭で新機能をダウンロードできるのが当たり前になった。21年には、米GEアプライアンスが感謝祭シーズンに合わせ、オーブンレンジに七面鳥調理モードを追加。米家電大手のワールプールはエアフライヤー機能の追加を発表した。いずれも既に購入済みのオーブンが、まるでスマホのようにアップデートされるわけだ。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
31
この記事をいいね!する