デジタル見本市「CES 2022」リポート 第8回

2022年1月3日からネット配信、5~7日には米ラスベガスの会場で本イベントを開催した家電とデジタル技術の見本市「CES 2022」。今後1年を展望する注目のイベントの中で、見どころはどこだったのか。電通でイノベーション支援を手がける森直樹氏が、専門家の目で分析する。

2022年1月3日からネット配信、5~7日には米ラスベガスの会場で本イベントを開催した(撮影/根津 禎=シリコンバレー支局)
2022年1月3日からネット配信、5~7日には米ラスベガスの会場で本イベントを開催した(撮影/根津 禎=シリコンバレー支局)

製品のライフサイクル全体で環境に配慮

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で、2021年に完全オンライン化したイノベーションカンファレンスのCES。今年は22年1月3日から、オンラインとオフラインのハイブリッド開催となった。ビジネストレンドを見通すための重要な場であるCESへ、直前まではラスベガスの会場を訪問する予定だったが「オミクロン型」の影響で、残念ながら自宅からリモート視聴となった。本稿では、オンライン参加を通して見えてきたポイントをお伝えしたい。

前回(第7回)はこちら

米ラスベガスのCES 2022会場の様子。新型コロナ「オミクロン型」の広がりで出展を取りやめる企業もあり、閑散とした場所もあったという(撮影/根津 禎=シリコンバレー支局)
米ラスベガスのCES 2022会場の様子。新型コロナ「オミクロン型」の広がりで出展を取りやめる企業もあり、閑散とした場所も(撮影/根津 禎=シリコンバレー支局)

 22年の論点は何か? CESを主催するCTA(全米民生技術協会)のリサーチ担当副社長のスティーブ・コーニッグ氏は22年1月3日に講演し、英経済学者クリストファー・プレマ氏の分析を引用した。「現在のパンデミックの環境下においては、イノベーションが加速する傾向にあり、今後の経済・社会・消費者体験・生活の至るところのレベルを高次に高める」という観測だ。コーニッグ氏はその兆候を示す例として、21年前半~半ばにかけて世界のテクノロジー関連商品の需要が高まったという独調査会社GfKのデータを引用し、その傾向が継続していると話した。

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