
パナソニックは米国時間2022年1月4日、家電とデジタル技術の展示会「CES 2022」で開催した記者発表会を開催。世界的なトレンドとなっている環境の課題解決に取り組むプロジェクトのほか、電気自動車やフードテック関連の製品を紹介した。VR(仮想現実)も子会社と連携して開発を進める。
最初に登壇したのは、2021年6月にパナソニック社長に就任した楠見雄規氏だ。楠見社長はまず「企業は社会の一員であり、いまパナソニックが企業としてやるべきことは、地球規模の気候変動への対策に取り組み、子供たちの将来を守ること。それらに対してパナソニックは大きな責任を負っている」と述べた。パナソニックグループでは年間220万トンの二酸化炭素(CO2)を排出しており、パナソニック製品の電力消費によるCO2排出量は、自社工場の40倍に当たるのだという。パナソニック製品の電力消費量は世界の総電力消費量の1%を占めており、全体でみたCO2排出量は1億1000万トンに上る。
「2030年までにはパナソニックグループが排出するCO2をゼロにする。各製品の消費電力量を抑えるとともに、クリーンエネルギー技術を関連企業に提供することで社会全体のCO2排出量削減に寄与する」と楠見社長。パナソニックでは2050年に向けて「パナソニック・グリーン・インパクト」と呼ばれるこの取り組みを強化していくとのことだ。パナソニックでは現在、組織改革を進めており、新組織の下ではより具体的な目標を掲げていくと楠見社長は展望を語った。
「パナソニック・グリーン・インパクト」の取り組みのひとつが、22年1月下旬から始まる教育プログラム「Winning With STEM(ウイニング・ウィズ・STEM、STEMで勝つ)」だ。STEM(ステム)とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の頭文字をとった言葉で、「Winning With STEM」では、米ディスカバリーエデュケーションとパナソニックが協業して「Virtual Field Trip(バーチャル・フィールド・トリップ、仮想校外学習)」を実施するという。
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