
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)事業を始めたいがどうすればいいのか。そういったニーズを拾うためにNFTのプロデュース事業に本腰を入れ始めたのはサイバーエージェント子会社のCyberZ(東京・渋谷)だ。タレント、アニメ、ゲームなどのコンテンツを中心に、企画からマーケットプレイスの選定までをプロデュースして支援する。
CyberZは、NFT活用事業の総合プロデュースを手掛ける。音楽やライブ公演のオンライン配信支援会社で同じくサイバー子会社のOEN(東京・渋谷)と組んで事業を進める。NFTを使った商品の企画・販売をサポートするほか、NFTの発行、財務、法務、広報も含めて手伝う。NFTで何かやりたいけど、どこから始めていいか分からないという声が多く、プロデュース事業を始めた。
まず、第1弾として21年9月に実施した「香取慎吾NFTアートチャリティプロジェクト」は、NFTを知らない人でも購入できるように工夫した取り組みだった。タレントの香取慎吾さんによるパラスポーツ支援のチャリティー企画で、日本財団パラスポーツサポートセンターの壁面に香取さんが書いたアート作品をNFTアートとして展開した。「1万点を出し、1点3900円で寄付を募ったところ、1日で参加者が1万人に達した。香取さんがパラスポーツを応援されているので、日本で開催された記念すべき年に、この思いを一生ものにしたいというストーリーに共感いただいた」(CyberZの青村陽介取締役)
青村氏は「香取さんのファンは年齢層が広いので、めちゃくちゃ丁寧に買い方を説明した」と振り返る。サイト上でNFTの買い方や入手方法などを本当に丁寧に紹介した。LINEのIDを使った「LINE BITMAX Wallet」を使う仕組みだったが、「LINEのアカウントを持ってない人は、LINEアプリをダウンロードしてください、といった初歩的なところから説明した」(青村)。
コレクションアイテムへのチャレンジも実施した。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメモリアルNFTトレーディングカードの販売だ。米国のNFTマーケットプレイス「OpenSea」とヤフーのデジタルチケットサービス「PassMarket」で21年10月4日から販売したところ、「PassMarket」ではわずか1時間で完売する成果を上げた。
デジタルトレカは1パックに10枚に入れ2288パックを販売した。トランプの数字と写真に意味を持たせたり、裏表紙にメッセージを書いたりといった企画性を持たせたのが特徴。22枚集めるとジョーカーのNFTがもらえる仕掛けも用意するなど、コレクションアイテムとして楽しんでもらうことを狙った。
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