変わる消費 新しい買い方2022 第8回

洋服の買い方は、実店舗からEC、フリマアプリへと多様化している。そこへ、「オンラインアウトレットモールでまとめ買い」というスタイルが登場し、注目を集めている。コロナ禍の時短営業で売れ残りを抱えたアパレル事業者がデッドストック(滞留在庫)を出品し、買い手は激安価格で新たなブランドとの出合いを楽しむ。そんな新しい買い方に迫る。

オンラインアウトレットモール「SMASELL(スマセル)」の倉庫(写真提供/ウィファブリック)
オンラインアウトレットモール「SMASELL(スマセル)」の倉庫(写真提供/ウィファブリック)

前回(第7回)はこちら

 2022年の正月、百貨店など小売り各社の初売りは、2年前の新型コロナウイルス感染拡大前の水準には及ばないものの、開店前から行列ができ、にぎわいを取り戻したようだ。並んだ客が向かった先は福袋のコーナー。販売価格を上回る金額相当の商品が詰め込まれているお得感と、中身がハッキリとは分かっておらず「開けてみてのお楽しみ」というワクワク感が購買意欲を刺激する。

 そんな福袋感覚のまとめ買いを、正月に限らず年中楽しんでいる人が、ファッション好きの間で増えているという。舞台となっているのが、ウィファブリック(大阪市)が運営するECモール「SMASELL(スマセル)」。1000超のアパレルブランド・ショップが出店してデッドストックを中心としたアウトレット商品を出品。レディースからメンズ、キッズ、ベビー服まで品ぞろえは幅広い。それらを登録会員が購入できるオンラインアウトレットモールだ。

 どんな人が買っているのか? ウィファブリック社長の福屋剛氏は、「中心は30~40代の女性。お子様のいる家庭が多く、普段はユニクロや無印良品などプチプラ系を好んで買われる層が中心」という。単品買いも可能だが、スマセルで目立つのはまとめ売り商品の購入だ。例えば有名スポーツ衣料ブランドの古着スエット5着セットが4000円前後で、人気アウトドア系ブランドの古着Tシャツやポロシャツなど10着セットが8000円程度でまとめ売りされている。これを購入して、家族でシェアする。子供服はすぐサイズアウトしやすく、また中高生ともなるとおしゃれ意識も高まるため、まとめ買いが重宝する家庭は多いだろう。

 まとめ買いをすれば、自分には合わない商品が含まれることもある。その場合は家族でシェアする他、フリマアプリで売るなど、個人でも商品を循環させやすい環境が整ってきたことが、購入のハードルを下げている。まとめ売りの中には「古着ブラウス100着2万円也」といった出品もあり、それらはフリマなどでの転売を目的にしている人が買い付けているようだ。

 スマセルの会員数は21年10月に10万人を突破し、21年の成約数は前年比3.2倍と目下急成長中だ。お宝探し感覚で掘り出し物に遭遇できるのが利点だが、消費者の購買意欲を高めるのは安さだけにとどまらない。

 スマセルでは、売れ残った服を焼却した場合に発生する二酸化炭素(CO2)量を、ワンピースなら1096グラム、ボトムスなら644グラムという具合に品目別に数値化し、会員は購入時や購入後にマイページで自身が貢献した削減量を確認できる。「お得に買って、地球を守る」をコンセプトに、サステナブルアウトレットモールを掲げるスマセルは、こうした企業姿勢に共感するエシカル消費に目覚めた会員に支持されている。

商品購入によって貢献できるCO2削減量を確認できる(スマセルのサイトより)
商品購入によって貢献できるCO2削減量を確認できる(スマセルのサイトより)

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