千客万来! 地域一番店 第2回

コロナ禍で顕在化した近場消費、そして地域への応援熱。小売業だけでなく多くの企業にとって、いかに地域の人に選ばれるかが、さらに重要になる。そのヒントを探るべく、地域密着店が愛される理由を探る本特集。第2回は、神奈川県の湘南エリアで展開するスーパーマーケット「スズキヤ」。ヒット商品連発の理由、独自の接客の秘密に迫った。

神奈川の湘南エリアを中心に、「スズキヤ」などの12店舗のローカルスーパーマーケットを展開するスズキヤ会長の中村洋子氏。地域密着を標榜するその思いと背景は
神奈川の湘南エリアを中心に、「スズキヤ」などの12店舗のローカルスーパーマーケットを展開するスズキヤ会長の中村洋子氏。地域密着を標榜するその思いと背景は

 セブン&アイ・ホールディングス傘下の「ヨークマート」やディスカウントスーパー「オーケー」といった大手があるにもかかわらず、開店と同時に多くの地元客がこぞって訪れる人気スーパーが神奈川県の湘南エリアにある。スーパーマーケットの「スズキヤ」だ。

前回(第1回)はこちら

 スーパーの「スズキヤ」などを展開するスズキヤ(神奈川県逗子市)は、1902年に現在の会長である中村洋子氏の祖父が神奈川・逗子で創業。食料品や雑貨、燃料などを販売していたが、57年にはスーパーマーケット業態にたどり付く。現在では、湘南エリアを中心に神奈川県内で12店舗のスーパーマーケットを展開するのに加え、雑貨専門店なども出店している。

開店する9時前から地元住民が並んで待っている姿も。写真はJR逗子駅から約50秒の立地にある逗子駅前店
開店する午前9時前から地元住民が並んで待っている姿も。写真はJR逗子駅から約50秒の立地にある逗子駅前店

 スズキヤが地元民に人気を集める理由は、大きく2つある。1つが、特集第1回でまとめた「地域密着店・5カ条」のうちの2カ条目、「独自性のある品ぞろえ」だ。

 店を訪れると、一般的なスーパーとは品ぞろえがかなり異なることに驚く。「商品の価格帯は高めだが、他店に絶対に負けない良いものを販売しているという自負がある」(中村氏)。その自信に裏打ちされた商品を、消費者に自信を持って売る。

 例えば魚は、逗子市内にある小坪漁港をはじめ、三浦半島の漁港から水揚げされたばかりのものが並ぶ。明らかに新鮮さが違う。開店と同時に新鮮な魚がぎっしりと並ぶ鮮魚コーナーは、朝から多くの客が訪れ、手を伸ばしていく。鎌倉のイタリアンレストラン「ラッテリア ベベ カマクラ」のモッツァレラチーズなど、地元の人気食材を多く販売する他、スズキヤでしか買えないオリジナル商品も随所に並ぶ。

地元漁港で水揚げされた新鮮な魚が毎日並ぶ
地元漁港で水揚げされた新鮮な魚が毎日並ぶ
地元農家の野菜もずらり
地元農家の野菜もずらり

オリジナルの弁当・総菜でヒットを連発

 圧巻なのは、総菜や弁当の多様さとオリジナリティーの高さだ。多くのファンがいる、スズキヤの代名詞といってもいい。

総菜や弁当類は圧巻の品ぞろえ
総菜や弁当類は圧巻の品ぞろえ
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