
コロナ禍下での度重なる外出自粛によって、2020年以降は飲み会が激減した。家での飲酒機会の増加を追い風に、缶入りアルコール飲料の需要が高まっている。拡大するアルコール飲料市場で新たなトレンドといわれるのが「ハードセルツァー」。米国でここ数年、人気急上昇中のアルコール入り炭酸飲料だ。日本でも期待がかかるものの、実力は未知数。代表的な4商品を取り上げ、パッケージデザインから消費者がどんなイメージを抱くかを調査した。
今、手軽に飲める缶入りアルコール飲料の需要が高まっている。2021年3月発表の「RTDに関する消費者飲用実態調査 サントリーRTDレポート2021」によると、「2020年のRTD市場は対前年112%」となり、さらに、「2021年も対前年112%」と見込まれている。
RTDとは、蓋を開けてすぐに飲むことができる缶入りやペットボトル入りの飲料のこと。同調査によると、「すっきりした飲みやすさ」や「甘くなく食事に合う」といった点が評価されたレモン系RTDが特に人気で、家飲みユーザーがRTDに求める魅力は、「味の種類が豊富で選べること」となっている。アルコール飲料市場は昨今の巣ごもり需要の拡大によって拡大し、より多様な商品が求められるようになっているのだ。
こうした市場の動向を受けて、アルコール飲料の多様化が進んでいる。アルコール度数8~9%ほどの「ストロング系」が人気を集め、定番化した後、アルコール度数3%前後の低アルコール商品も多数登場。21年には、飲酒習慣がない層を取り込もうと、アルコール度数0.5%前後の「微アル」の発売が相次いだ。
次なるトレンドと目される「ハードセルツァー」は、18年ごろから米国で広がったアルコール飲料だ。「ハード」は、アルコールなしのソフトドリンクに対してアルコール入りを意味する「ハードドリンク」を、「セルツァー」は「炭酸水」を意味する。ビールなどと比べると、低カロリー、低糖質、グルテンフリーなどの特徴があり、健康志向が強い米国のミレニアル世代などに受け入れられた。
今回の調査は、消費者300人(男女150人ずつ)、マーケター・デザイナー各100人の合計500人を対象にした。最初に、「ハードセルツァーを知っていますか?」(Q1)と聞いた。
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