※日経エンタテインメント! 書籍「TikTok ショート動画革命」の記事を再構成

TikTokでは、日々膨大な数のショートムービーが集い、新しいトレンドやムーブメントが誕生し続けている。日本でのサービス開始当初は、ダンスやリップシンク、面白ネタ系の動画が人気を集めたが、今ではコンテンツの多様化が急速に広がっている。昨今の人気ジャンルの傾向から、ジャンルに広がりをもたらす未来予想図までを、TikTokのコンテンツ戦略を担う「コンテンツ・ストラテジー・チーム」の石谷祐真氏に聞いた。

石谷祐真氏
TikTok Japan, Content Strategy Manager

前回(第3回)はこちら

 我々のチームは、TikTok内のコンテンツの全体戦略を担っていくのが役割です。分かりやすいところでは、ユーザーの投稿や視聴を盛り上げるために「ハッシュタグ・チャレンジ」の企画・運営をしています。

 ハッシュタグ・チャレンジにはいろいろな活用方法があり、5月は「母の日」、7月は「TikTok夏祭り」、10月には「ハロウィン」といったシーズンものや、ユーザーの投票で決める「TikTok流行語大賞」などの企画もあります。その一方で、これから流行りそうなトレンドの芽をいち早く発掘して、その盛り上がりを大きくしていくのも我々が担う重要な役割です。

トレンドは「名前を付ける」ことで生まれる

 TikTokでは毎週・毎日のように新たなコンテンツが生まれていますが、トレンドの芽には必ずしも共通の名前があるわけではないんです。例えば、みんながある音楽に合わせて投稿をしているのだけれど、共通の名前がないので、流行っていると伝わりにくいといったことがよくあります。そういった場合に、ハッシュタグ・チャレンジとして名前を付けて、みなさんに知っていただくようにしています。

 例えば、2019年にmoumoon(ムームーン)さんの『Sunshine Girl』(楽曲のリリースは2010年)という曲に合わせてダンスをする動画が流行り始めたことがありました。それがちょうど5月だったこと、五月病を吹き飛ばすような心地よい感じの曲であったことから、「#さよなら五月病」というハッシュタグを命名して投稿を促したところ、『Sunshine Girl』の再生回数は10日間で2000万回に達しました。21年初めには、『Avocados from Mexico』というフレーズ音源を使った投稿が続いていたので、シンプルに「#アボカドチャレンジ」と命名して周知したところ、「#アボカドチャレンジ」の投稿動画は、今では総再生回数が6億回に迫るほどの大きなトレンドとなりました。

 UGCの根底にあるのは、私たちがどれだけ仕掛けるかではなく、ユーザーさんが共感し、「楽しい」「やってみたい」と思って盛り上がるかということ。どのトレンドの芽が大きくなるかは誰にも分からないですが、まずそんなトレンドが起き始めていることをいち早く周知し、ユーザーさんに認知してもらうことが重要だと考えています。

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