※日経エンタテインメント! 書籍「TikTok ショート動画革命」の記事を再構成

サントリーは2020年12月、同年9月に公式インフルエンサーに任命したバーチャル社員であるバーチャルヒューマン「山鳥水生(やまとりみずき)」のTikTokアカウントを開設した。料理を中心とした投稿動画のなかには、万単位の再生を記録する例も出るなど、再生回数は徐々に伸長。ユーザー同士がコメント欄でコミュニケーションを図るなど活発化しており、ブランドや企業へのファン育成に一役買っている。早期からTikTokを使ったプロモーションに取り組んでいた同社は、TikTokがプラットフォームとして成長していることを実感していると話す。

2020年からサントリーのバーチャル社員として活躍する「山鳥水生」。同年12月にはTikTokのアカウント(@mizuki_yamatori)を開設
2020年からサントリーのバーチャル社員として活躍する「山鳥水生」。同年12月にはTikTokのアカウント(@mizuki_yamatori)を開設

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 20年9月、サントリーがバーチャル社員であるバーチャルヒューマン「山鳥水生」を、公式インフルエンサーに任命したというニュースは、ネットメディアを中心に大いに話題となった。その後、NHKの朝のニュースでも取り上げられている。バーチャルヒューマンとは、3DCG技術を使って、より人間に近いイメージで制作されたデジタル上の人物のこと。19年の『NHK紅白歌合戦』に「AI美空ひばり」が出演した際には、一般層からも注目を集めた。

 山鳥水生もCGを使って制作されており、プロフィールも「1993年生まれの27歳。大阪府生まれ。学生時代は長期休みの間だけ、個人経営の地元の居酒屋でアルバイト。座右の銘は、やってみなはれ。好きな動物はネコ」などと、詳細に設定されている。こうしたキャラクターが誕生した狙いとして、20年9月のスタート当時のプレスリリースには以下のように書かれている。

 「SNSの普及に伴い、生活者の興味関心や接点が非常に多様化している中、お客様との絆を構築する手法として、これまでもSNSの企業公式アカウントの運用やデジタル上でのコミュニケーションに取り組んできました。近年では、個人として影響力を持つインフルエンサーの台頭に着眼し、人気インフルエンサーを起用した取り組みなどを行ってきました。

 その中で、1人のサントリー社員をインフルエンサーとして育て、いち個人としての発信を行うことで、よりお客様に会社の魅力や商品を身近に感じていただけるのではないかと考え、バーチャル社員『山鳥水生』を公式インフルエンサーに起用しました。彼の言葉・表現を通じて、お客様との新たなコミュニケーションを図ってまいります」

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