誰でも簡単に、デジタルで支出を管理できるサービスが拡大する――。そんな未来を思い描き、プリペイドカードと家計簿アプリとを組み合わせた支出管理サービス「B/43」を2021年に開始したスマートバンクCEOの堀井翔太氏。日本初のフリーマーケットアプリ「フリル」を立ち上げた前回の起業での経験と悔しさを糧に、新たな「発明」と素早い事業展開に取り組む。

※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成

フィンテック領域での新たな挑戦をスタート
フィンテック領域での新たな挑戦をスタート
スマートバンク 代表取締役CEO(最高経営責任者)
堀井翔太氏

1985年生まれ。京都府出身。大学卒業後、VOYAGE GROUPに新卒入社し、最年少で子会社社長に就任する。2012年に日本初のフリマアプリ「フリル」を運営するFablicを創業。16年に同社を楽天に売却し、18年の退任まで子会社として代表取締役CEOを経験。19年にスマートバンクを設立し、2度目の起業に踏み出す

 スタートアップ企業のスマートバンクが2021年1月にサービスを開始したのが、Visaプリペイドカードと家計簿アプリとを組み合わせた支出管理サービス「B/43(ビーヨンサン)」だ。21年内にはアプリのダウンロード数が累計10万に達する見込みで、プリカの決済額も月1億円を超えるところまで伸びてきている。

 同社CEOの堀井翔太氏は、メルカリに先んじて12年にフリーマーケットアプリ「フリル」(現「ラクマ」。16年に楽天グループが買収)を立ち上げたことで知られる。同氏が、次なる挑戦の領域に選んだのがフィンテックだ。「日本では家計管理に現金を使っている人がまだ多い。一方で、キャッシュレス決済の流れは確実に進んでいく。今後はITリテラシーが高くない人でも、デジタルで支出を管理できるようなサービスのニーズが広がると考えた」(堀井氏、以下コメント同じ)

 18年にキャッシュレス決済が普及する英国に滞在した際に、現金を1カ月間ほとんど使うことがなく、また若者たちがお金のやり取りや管理をデジタル銀行のアプリで行う様子を目の当たりにした。そこでデジタルの付加価値を強く実感したことも、B/43のサービス開発につながっている。

 キャッシュレス決済では、クレジットカードを利用している人も多い。しかし後払いのため、残りいくら使えるのかが分かりにくい、利用履歴をすぐに把握しにくい、請求月がずれることがあるといった点で、月ごとの家計管理にはあまり向いていない。「毎月の収入よりクレカの与信枠が大きい場合もあって、つい使い過ぎてしまうケースも少なくない」

 B/43は、プリカの口座にチャージした残高(上限100万円)の範囲で使える。支払いのたびにアプリにリアルタイムで記録され、支出の費目別に自動分類する機能もある。また、月ごとに支出の内容を振り返れる「月間まとめ」機能を備え、いつ、どこで、いくら使ったのかを簡単に把握できる。

 「口座の予算と決済手段がひも付いていることが、管理しやすさの面でメリットになる」。アプリの「ポケット」機能を使い、チャージした予算を食費、趣味、育児などと用途に応じて管理することも可能だ。

■家計簿機能付きプリカ「B/43」が好評
■家計簿機能付きプリカ「B/43」が好評
プリカで支払った内容をアプリに記録。費目別の自動分類機能や月間のまとめ機能などを備え、簡単に家計簿をつけられる

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