「クリスピーチキン」「SPAMむすび」「バタービスケットサンド」など、2021年に数々のヒット商品を出したファミリーマート。ヒット商品を確実に生み出す態勢を整えたのが、商品本部長の塚本直吉氏だ。前職で立ち上げた「DX推進室」を活用し、理詰めの商品開発で「おいしさ」と「分かりやすさ」を重視する。独自のスマホ決済アプリ「ファミペイ」のマーケティング活用も軌道に乗りつつある。
※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成
売り上げではコンビニ業界2位だが、2021年に入って、「クリスピーチキン」「SPAMむすび」「バタービスケットサンド」など、プライベートブランド(PB)でユニークなヒット商品をいくつも生み出しているファミリーマート。21年4月に商品本部長に就任し、ヒット商品を確実に生み出す態勢を整えたのが塚本直吉氏だ。
21年には食品PBでヒットが続出
■SPAMむすび
■バタービスケットサンド
コンビニのPB商品の歴史は、セブン-イレブンの「セブンプレミアム」が登場した07年からと意外に浅いが、その重要性は年々増している。塚本氏は前身のサークルKサンクスでも13年から商品本部長を務めたが、そのときと比べても「消費者の目が厳しくなり、どこでも買えるナショナルブランド(NB)商品は、コンビニよりも価格の安いドラッグストアやスーパーマーケットで買うといった使い分けが進んでいる。ファミリーマートにしか品ぞろえがなく、価格以上の価値を提供できる商品を出すことの重要性は増している」(塚本氏)という。
そこで商品本部長として21年4月に就任した際には、PB既存商品すべての立ち位置を再確認した。「例えば、同じおむすびでも、食の基本となる『手巻』シリーズと、購入者の目を引く高価格帯の『ごちむすび』シリーズは役割が違う。ごちむすびが目立ち、話題になれば手巻の売り上げも伸びる。このように、各売り場の売り上げを最大化できるラインアップがPBの理想だ。『おむすび』『温かい麺』『デザート』などの細かな分類ごとにPB商品の売れ行きを見て、そのような目線でリニューアルやカテゴリー整理などを検討した」(塚本氏)
そのうえで、PBの定番商品を数多く生み出すべく、これまで以上にデータを生かしてマーケティング活動をすることと、新商品の開発では売れる味やパッケージにもっと手間をかける方針を立てた。
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