
2021年12月3日発売の「日経トレンディ 2022年1月号」では、「2022-2030大予測」を特集。ネット上にできた3次元の仮想空間の中で、人々が「アバター」(分身)の姿で生活するサービス「メタバース」。2030年にはこの空間にエンタメやビジネスが集結し、誰もが楽しむ未来がやってくる。まずはスマートフォンなど既存のデバイスからの参加が主流になり、将来的にはゴーグル型のAR/MRグラスで入るようになる。
※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成
【2030年はこうなる!】誰もがアバターとなって仮想世界を楽しむ
誰もがSNSを見る代わりに、仮想の街を歩き回って、人々と交流するなど思い思いに過ごす――。そんな時代が10年以内に訪れそうだ。
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メタバースは「meta」(超越した)と「universe」(宇宙)の合成語。ネット上にできた3次元の仮想空間の中で、人々が「アバター」(分身)の姿で交流やイベント参加、ゲーム、買い物などの“生活”ができるサービスを指す。2003年に始まった「セカンドライフ」(米リンデンラボ)など00年代からあったが、当時はネットワーク速度が遅くて使い勝手が悪く、伸び悩んだ。
しかし10年代後半から、「Roblox」(米Roblox)や「フォートナイト」(米Epic Games)、「あつまれ どうぶつの森」(任天堂)など3Dゲームの世界がメタバースとして使われ、音楽ライブやイベントなどの開催事例が続出。1000万人以上が参加した音楽ライブなど、現実世界ではあり得ない現象も起きた。また、コピー不可のデジタル資産である「NFT」(非代替制トークン)の技術により、メタバースの中でデジタルアートなどの商品を売買できる可能性も出てきた。
旧Facebookなど様々な大企業の参入で22年はメタバース元年になる?
こうした事情から、「SNSの次はメタバース」の機運が上昇。米メタ・プラットフォームズ(旧Facebook)や米マイクロソフトなど、多くの企業がメタバース参入を表明した。
■メタ・プラットフォームズ
■マイクロソフト
初期のメタバースであるセカンドライフは、自由度が高い代わりに参加目的が不明確で、人が集まりにくかった。フォートナイトのようなゲームがメタバースとして成功したのは、ゲームという共通の目的があるからだ。グリーの子会社でメタバース事業の中核であるREALITY社長のDJ RIO氏(アバター名)も「この先、ゲーム以外にも『エンタメ向き』『仕事向き』『コミュニケーション向き』などの特徴を備えた様々なメタバースが登場し、利用者獲得競争が始まる」と想定する。
■REALITY
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