2022-2030大予測 第13回

2021年12月3日発売の「日経トレンディ 2022年1月号」では、「2022-2030大予測」を特集。日本では今後5~10年間で、ロボットを使った手術の数が大きく増える見込みだ。国産の「手術支援ロボット」の開発が進み、日本の医療環境に適したコンパクトで低価格な製品が普及。これまでサイズやコスト面から導入できなかった中小規模の病院でも、ロボット手術を行える可能性が広がる。

※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成

日本で初めて実用化した国産手術支援ロボット「hinotori」。2030年ごろにはロボットを使った手術が当たり前に
日本で初めて実用化した国産手術支援ロボット「hinotori」。2030年ごろにはロボットを使った手術が当たり前に

前回(第12回)はこちら

 外科手術において、身体への負担が少なく、より精度の高い手術を行う助けになるのが「手術支援ロボット」だ。日本では今後5~10年間で、ロボットを使った手術の数が大きく増える見込み。国内メーカーの相次ぐ参入で選択肢が増え、導入コストも低下して、幅広い医療機関でロボットを利用しやすくなるからだ。

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 手術支援ロボットの市場はこれまで、米インテュイティブサージカルの「ダビンチ」がほぼ独占していた。しかし主要な特許が切れたことで、国内でも開発が近年加速している。

初の国産ロボットが始動 手術実績を重ねる

 2020年に、初の国産手術支援ロボットとして実用化したのが、川崎重工業とシスメックスが共同出資するメディカロイド(神戸市)が開発した「hinotori」。同年12月に1例目の手術(前立腺がん全摘手術)が実施され、その後も着実に成功実績を重ねている。

 ダビンチ同様、4本のロボットアームを備え付けたオペレーションユニットと、それらのアームを術者が操作するコックピットからなる。術者は3D映像を見ながら、内視鏡カメラや手術器具を装着したアームをコントローラーで操作して手術を行う。

 術者側の操作は直感的で、手元の動きをアームの小さな動きに反映したり、手ぶれが伝わらなかったり、術野を拡大して観察できたりと、従来の内視鏡外科手術に比べて、より精緻な手術が可能になる。それは手術を受ける患者側のメリットにもつながり、術中の出血量が少ない、術後の痛みが少ない、回復が早い、臓器の機能を温存しやすいといったことが期待できる。

■hinotori(メディカロイド)
20年8月に泌尿器科領域で製造販売承認を取得し、同年9月から保険適用。21年11月には婦人科領域と消化器科領域への適応申請も行っている。高速通信規格の商用5Gで遠隔操作する世界初の実証実験も開始した
20年8月に泌尿器科領域で製造販売承認を取得し、同年9月から保険適用。21年11月には婦人科領域と消化器科領域への適応申請も行っている。高速通信規格の商用5Gで遠隔操作する世界初の実証実験も開始した
手術支援ロボットを利用するメリットは

【患者側】

・術中の出血量が少ない ・術後の痛み(疼痛)が少ない ・術後の回復が早い
・臓器の機能を温存しやすい ・合併症や感染症のリスクが低い

【術者側】

・直感的な操作ができる ・術野を拡大して観察できる ・手ぶれが伝わらない
・動きの大きさを小さくできる ・座ったまま手術ができる

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