
2021年12月3日発売の「日経トレンディ 2022年1月号」では、「2022-2030大予測」を特集。アマチュアスポーツ向けのデジタルツールが進化し、効率的な練習や理論派戦術で、格下と思われていたチームが勝つ「ジャイアントキリング」が続出する。既に東京六大学野球では簡易型弾道測定器「ラプソード」が導入され、練習に活用。体を休ませながら判断力を強化するトレーニングの普及も広がり、“才能の壁”を乗り越えやすくなる。
※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成
【2025年はこうなる!】アマの大舞台で効率的な練習や理論派戦術が旋風 下克上が続出する
甲子園や国体などのアマチュアスポーツの全国大会で、予想を覆す金星が増えるかもしれない。それを可能にするのが、アマチュアスポーツ向けのデジタルツールの進化。これを使いこなした緻密なデータ分析に基づく効率的な練習や画期的な戦術で、無名のチームが強豪から勝利をもぎ取る。
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練習が大きく変わりそうなスポーツの代表例が野球だ。プロ野球では既に、球速や打球の飛距離などの従来的なデータだけでなく、投球なら回転数やリリースポイント、打球なら角度やスピードといったように、より緻密なデータを取って練習に生かすことが一般的になっている。いわば球のノビやキレと言われてきた直感的な指標を数字で表し、それを向上させる理論的な練習が可能になってきたと言える。
ボールの回転数、打球角度…… 野球の実力を緻密に分析
こうした練習をアマチュアレベルまで広げるのが、高性能なカメラとレーダーを搭載した簡易型弾道測定器「ラプソード」(Rapsodo Japan)だ。投手や打者の近くに専用のカメラを設置し撮影すると、詳細なデータが手元のタブレット端末などで、アプリを通してすぐ確認できる。持ち運びできるカメラとレーダー、それにタブレットがあれば使えるので、専用の設備を作らずに済むのが特徴だ。
投手用、打者用の2つがあり価格はそれぞれ約70万円。高価ではあるが、部費や親の支援などから資金を捻出して、部活に導入する学校は増えているという。アマチュアスポーツではこうした動きからも導入されそうだ。
■ラプソード(Rapsodo Japan)
既に東京六大学野球ではラプソードが導入され、全6校が練習に活用している。また、21年夏の甲子園を制した智辯和歌山高校も取り入れていたといわれている。ラプソードを真っ先に取り入れたチームが、アマ野球界を席巻していくかもしれない。
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