
2021年12月3日発売の「日経トレンディ 2022年1月号」では、「2022-2030大予測」を特集。地球上のあらゆる場所の出来事を、人工衛星がすべて記録する未来がやってくる。鍵を握るのは、コストの安い小型衛星を数多く飛ばして地球を観測する「衛星コンステレーション」。将来的にはAIと連携し、テーマパークの混雑状況などを予測しやすくなる。
※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成
地球上のあらゆる場所で起きていることをすべて記録できる未来がやってくる。活用するのは人工衛星で、その運用は、ひと昔前であれば政府や大企業の独壇場だった。しかし、近年はその様子が一変。鍵を握るのが、「衛星コンステレーション(以下、衛星コンステ)」だ。1基のコストが数千万から数億円で済む小型衛星を数多く飛ばして地球を囲み、連携させて運用する新方式を指す。数百億円レベルかかる大型衛星と比べてコストを大幅に下げられるため、ベンチャーの参入が相次ぐ。
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衛星コンステが切り開く主なビジネスは、全世界を対象とする「衛星インターネット」と「地球観測」の2つだ。ただ、前者は数千から数万基を運用する必要があり、大規模な資本力が欠かせない。参入できるプレーヤーはかなり限られる。一方、後者は数十から数百基で運用できてコストを抑えられる。宇宙を舞台にしたビジネスを描く国内外のベンチャーにとって、地球観測は魅力的な衛星ビジネス。商業化されると、例えば被災状況も容易に把握できる。
米プラネット・ラボは約200基の光学観測衛星を地球の周りに飛ばし、世界のあらゆる場所を毎日1回撮影。その画像を提供するサービスを展開中だ。国内ではアクセルスペース(東京・中央)が、同じく光学観測衛星をこれまでに5基打ち上げていて、ユーザーが選んだ場所を最大で2~3日に1回撮影するサービス「AxelGlobe」を2021年6月にスタートさせた。23年までに10基体制にして、1日1回と、より高頻度で撮影する計画だ。
■AxelGlobe(アクセルスペース)
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