
2021年12月3日発売の「日経トレンディ 2022年1月号」では、「2022-2030大予測」を特集。身に着けるだけでたちまち力持ちになる「パワーアシストスーツ」が進化し、30年には日常のあらゆる場面で役立つ「着るロボット」のような存在になる。そんな未来を描くのがパナソニック発のスタートアップ企業「ATOUN」だ。物流や農作業などで使用する“スキル”をデータとして蓄えることで、素人でもプロ並みの仕事ができるようになる。
※日経トレンディ2022年1月号の記事を再構成
非力な人でも、身に着けるだけでたちまち力持ち──。SFの世界では1950年代から語られていた「パワーアシストスーツ」(パワードスーツ、ロボットスーツとも)が2000年以降、工場、物流、農作業、介護など、力が必要な現場に次々に導入されている。現在主流なのはモーターや油圧などの駆動装置を内蔵し、主に腰にかかる負担を軽減するタイプ。50万~100万円前後の製品が多かったが、電力の代わりにゴムの弾力を使ったイノフィス(東京・新宿)の「マッスルスーツ Every」(実勢価格12万4000円・税込み)などの低価格製品も登場し、市場は右肩上がりで伸びている。
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このアシストスーツが進化すれば、力仕事だけでなくスポーツやDIYなど、日常生活のあらゆる場面で役立つ「着るロボット」のような存在になる。そんな未来を描いているのがパナソニック発のスタートアップ企業であるATOUNだ。
■ATOUN MODEL Y+kote(ATOUN)
まずは歩行のサポートを実用化
その第1段階として同社は歩行支援用のアシストスーツ「HIMICO」を手掛けている。脚の動きをサポートする試作機を開発し、歩行支援の実証実験を18年から開始。これまでに数百人の協力を得て、様々なテストを行っている「歩くのをつらいと感じるシニアは多いが、歩き方の特徴は人によって全然違う。歩くリズムや坂道などの状況に応じてHIMICOが助ける強さやタイミングのパラメーターなど、自動で制御する際の様々なデータを収集することにより、美しい歩容を提案できるサービスを実現したい」(ATOUNの藤本弘道社長)
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