
2021年下半期(7~12月)に日経クロストレンドで読まれた記事を分析し、トレンドやマーケターの関心事を探る本特集。第2回は特集記事のうち、公開5日間の有料会員の訪問者数が多かったトップ20を抽出。強いのは定番、22年のヒット予測ですが、スターバックスや打倒アマゾン特集の記事が食い込みました。
日経クロストレンドでは、1つのテーマを3~10本程度の記事で掘り下げる「特集」を毎週公開しています。これらの多くは有料会員限定で公開している記事ですが、その分、マーケターを中心とした日経クロストレンドの読者の関心に合わせたテーマ、内容となっています。
その特集の中から、下半期、公開後5日間の有料会員の訪問者数(ユニークユーザー、UU)が多かった記事20本を選んだのが冒頭のランキングです。
下半期は、その年の終わりと翌年の始まりが近づいてくる時期です。そのため、今年を振り返るとともに、翌年のヒットを占うような記事が人気を集めます。定番、鉄板の記事と言っていいでしょう。
【21年の振り返り】
- 2位「発表!マーケター・オブ・ザ・イヤー2021 コロナ禍の変革者5人」(特集「マーケター・オブ・ザ・イヤー2021」第1回)
- 7位「2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」(特集「2021年ヒット商品ベスト30」第1回)
【22年の予測】
- 1位「2022年ヒット予測ランキング 1位は『Miles』『ANA Pocket』」(特集「2022年ヒット予測ランキング」第1回)
- 9位「22年ヒット予測1位は『Miles』『ANA Pocke』 移動で稼ぐ時代へ」(特集「2022年ヒット予測ランキング」第2回)
- 11位「2022年に『売れる色』予想 黄色系と緑系、『自然で都会的』が鍵」(特集「売れる色 2021~2022」第1回)
スタバ記事が強かった
だからこそ、ここではそれ以外の特集に注目してみます。目を引くのは3本ランクインしたスターバックスの特集です。
- 6位「スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果」(第2回)
- 14位「スタバ『47 JIMOTO フラペチーノ』成功の要因は“ご当地”にしない」(第3回)
- 18位「スタバのSNS活用術 新オウンドメディアで『つながり』を深化」(第4回)
21年に日本上陸25周年を迎えたスターバックス。コロナ禍で飲食店が休業や営業時間の変更を強いられる中での同社の新たな取り組みとその裏にある思想や哲学を、全8回で掘り下げました。
中でもよく読まれたのが、6位「スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果」です。スターバックスの店舗では10~70代まで幅広い年齢の人々が働いており、内部からも自分の年齢や個性に合ったもの、自分をうまく表現できるものを着たいという要望もあったとのこと。一方で飲食業という業種柄、清潔感や親しみやすさが損なわれないかという懸念もありました。
ですが結果的に、従業員同士あるいは顧客とのコミュニケーションを促し、意識変化にもつながったとのこと。「多様性」が当たり前に求められる時代、その本質を再認識する記事となっています。
DX時代の小売りに注目
DX時代の小売りのあり方を取り上げる特集も注目されました。それが「ネット×リアル融合『店舗DX』の真価」と「打倒アマゾンの戦い方」です。
- 5位「西武渋谷店、Z世代『なぜ百貨店に行く?』に回答 3つの課題克服」(第1回)
- 12位「渋谷地下街『99円カフェ』の秘密 6G時代見据えた“日本版b8ta”」(第3回)
不要不急の外出や他者との接触を控えることを求められたコロナ禍では、リモートでの接客、非接触での買い物など、様々な面から店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進みました。この特集では、ライブコマースや高機能自販機、アプリなど、さまざまなツールを駆使したDX化の事例を取り上げています。
- 8位「アマゾンの猛攻に耐え抜いた、生き残り企業『3つの共通点』」(第1回)
- 15位「『アマゾンにも真似できない』 定期便を究めた菓子サブスク」(第4回)
一方の「打倒アマゾンの戦い方」は、衣類や食品、書籍などの分野で、米アマゾン・ドット・コムと競合してきた企業について分析し、アマゾンに負けない強みやビジネスモデルで勝ち抜くすべを解き明かす特集です。
タイトルは「打倒アマゾン」となっていますが、そこから学べるのもやはりDX時代の小売りに求められるもの。8位「アマゾンの猛攻に耐え抜いた、生き残り企業『3つの共通点』」を読むと、ネットとリアル店舗を融合し、両面から顧客に統合的な体験を提供するオムニチャネルや、顧客と直接つながって、そのニーズや購買意欲を喚起するD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)などを実践した企業が生き残っていることが分かります。
タイトルだけを見ると、異なる印象の特集ですが、併せて読むと思わぬ発見があるかもしれません。
【2位】発表!マーケター・オブ・ザ・イヤー2021 コロナ禍の変革者5人
【3位】キリンがTwitter方針を大転換 SNSマーケ「5つの最新トレンド」
【4位】マーケターが選んだ「五輪が無観客になって潤う業界」ランキング
【5位】西武渋谷店、Z世代「なぜ百貨店に行く?」に回答 3つの課題克服
【6位】スタバが従業員の金髪や帽子をOKに やって分かった意外な効果
【7位】2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30
【8位】アマゾンの猛攻に耐え抜いた、生き残り企業「3つの共通点」
【9位】22年ヒット予測1位は「Miles」「ANA Pocket」 移動で稼ぐ時代へ
【10位】驚異の継続率90%超 英会話サブスク「やめさせない」5つの秘策
【11位】2022年に「売れる色」予想 黄色系と緑系、「自然で都会的」が鍵
【12位】渋谷地下街「99円カフェ」の秘密 6G時代見据えた“日本版b8ta”
【13位】異形の小売り「丸井グループ」の全貌 「売らない店」で勝てる理由
【14位】スタバ「47 JIMOTO フラペチーノ」成功の要因は“ご当地”にしない
【15位】「アマゾンにも真似できない」 定期便を究めた菓子サブスク
【16位】クッキー経済圏からID経済圏へ 脱クッキー時代の広告大変革
【17位】玩具「パチェリエ」が大人女子に想定外ヒット 裏に“推し活”あり
【18位】スタバのSNS活用術 新オウンドメディアで「つながり」を深化
【19位】無印良品が「第二創業」で掲げる新戦略 堂前新社長インタビュー
【20位】BASEとインスタで売り上げ700%の雑貨店 ECがリアルの3倍売れる