※日経エンタテインメント! 2021年12月号の記事を再構成

SNS解禁が急速に進んでいるジャニーズ。なかでも2021年はタレント個人のアカウントが増加するなど新たな動きを見せた年だった。SNSと関連深いYouTubeにおいてもその影響力は大きく、進出と進化を続けている。ジャニーズのデジタル戦略が「今」加速する、そのワケとは。

 SNSに一線を画していたジャニーズに動きが出始めたのは18年。同年10月に開設したTwitterアカウント「ジャニーズJrチャンネル」を皮切りに、SNSでの情報発信に本腰を入れ始めた。以降、19年にInstagramにてSixTONES、Travis Japan、嵐が(嵐はTwitterも)、翌20年に木村拓哉がアカウントを開設。なかでも木村は、あまり明かすことのなかったプライベート写真の投稿も多く、現在もしばしば話題になっている。

 21年に入ると、国分太一がTwitterにて個人アカウントを開設した。続いてKing & PrinceがTwitterとInstagram、YouTubeを同時にオープン。20年から21年にかけてSNSの解禁が相次いでいる。

 なかでも今年は、個人名義のアカウントが増えているのが特徴だ。そこでのタレント同士のやりとりは頻繁にネットニュースに取り上げられているほか、企画に対してユーザーにアイデアを募る者や、サプライズでライブ配信をする者など、ファンとの交流の形が大きく変わった。話題がさらに新たな話題を作るという現象も起きている。

タレントベースのアカウントを編集部がリストアップ。フォロワー数は10月20日時点。まだアカウントを持っていないグループも多いが、周年やリリースがらみで期間限定的に立ち上げる機会も増えている。作品にからめて開設するケースも多くなっており、夏ドラマ『彼女はキレイだった』では中島健人が役名義でInstagramを運用、ドラマ人気にも貢献した。これまでアカウント保有者はベテランか若手という傾向だったが、9月に中堅の山田涼介が参入したことから、今後は世代問わずどんどん解禁されていきそうだ
タレントベースのアカウントを編集部がリストアップ。フォロワー数は10月20日時点。まだアカウントを持っていないグループも多いが、周年やリリースがらみで期間限定的に立ち上げる機会も増えている。作品にからめて開設するケースも多くなっており、夏ドラマ『彼女はキレイだった』では中島健人が役名義でInstagramを運用、ドラマ人気にも貢献した。これまでアカウント保有者はベテランか若手という傾向だったが、9月に中堅の山田涼介が参入したことから、今後は世代問わずどんどん解禁されていきそうだ

新体制とコロナ禍で

 この1~2年でこれほどSNSの解禁が加速したのは、事務所の体制変更とコロナ禍が重なったことにほかならない。事務所創業者で社長だったジャニー喜多川氏が19年7月に他界。急務で新体制を整えていた最中の20年、世はコロナ禍に。コンサートをはじめテレビ・ラジオなど、活動を全面ストップせざるを得なくなったなか、それに代わる発信の場としてTwitterやInstagramの解禁が一気に進んだ。

 ジャニーズの場合、SNSと切り離せないのがYouTubeの存在だ。SNSが果たす役割の1つに「YouTubeチャンネルへの誘導」がある。YouTubeも、ジャニーズが近年力を入れているプラットホームだ。

 YouTubeの動きを集計・解析するサイト「ユーチュラ」を運営する堂馬佑太氏によれば、ここ数年のYouTube全体の動向として、ジャニーズの参入は大きなトピックであったという。例えばジャニーズ参入前、18年時点の登録者数100万人達成最短記録は本田翼の「18日」だったが、19年11月に嵐がチャンネルを開設すると、たった1日で100万人を突破した。200万人達成最短記録も二宮和也が後輩3人と立ち上げた『ジャにのちゃんねる』が「21日」で達成。開設30日以内で200万人を突破したのは、同チャンネルと嵐の2チャンネルのみという状況だ。

 TwitterやInstagramのフォロワー数と違い、「YouTubeの“登録者数100万人”の壁は厚い」と堂馬氏は話す。

 「100万人は、そう簡単に達成できる数字ではありません。かつては何百日とかけてようやく到達する数字だったのですが、本田翼さん――つまり芸能人が参入し、記録を打ち立てたあたりからYouTubeの常識が変わったと言われています。その記録を嵐の皆さんが軽々と塗り替えた。あのスピードは衝撃でしたし、ジャニーズの底力を感じました。現在嵐のチャンネル登録者数は322万人ですが(10月20日時点)、300万を突破しているのはジャニーズでも彼らだけ。『ジャにのちゃんねる』は283万人まできているので、いずれ到達するのではと見ています」(堂馬氏)

 「登録者数」においては結果を出しているが、実際の人気はどうか。それを測る上でバロメーターになるのが再生回数だ。

 「動向を分析する上で、我々が最も注目しているのは再生回数です。次に、コメントや評価といったエンゲージメント。登録者数ももちろん見ますが、再生回数と釣り合っていなければ、逆効果になることも。だからと言って登録者数が無意味ということはありません。ファンの方にとっては“応援している”という意思表示になりますし、配信している側にとっても1つのステータスなので」(堂馬氏)

 この点について、ジャニーズのコンテンツはどれも順調に伸びているとのこと。堂馬氏は、最近の投稿内容の変化にも着目している。

 「最初の頃はMVの公開が多かったように思いますが、例えば『ジャにのちゃんねる』で言うと、動画を小出しにして話題作りをしたり、手作り感を出したりと、興味の引き方が上手だなと感じます。また、山田涼介さんの『LEOの遊び場』のように、ご本人がYouTubeのノウハウを理解していると思わされるものもありますね。山田さん自身は本物のゲーマーですし、HIKAKINさんはじめYouTubeにおいて影響力のある方と早々にコラボもしている。よく考えられていると思います」(堂馬氏)

顔合成アプリで対決 これ誰と誰でしょう?
ジャニーズのTwitterは外部への誘導という意味でYouTubeと関わりが深い。ジャニーズのYouTubeのチャンネル。二宮和也、中丸雄一、山田涼介、菊池風磨のバラエティチャンネル『ジャにのちゃんねる』。山田涼介のゲームチャンネル『LEOの遊び場』、Travis Japanのダンスチャンネル『+81 DANCE STUDIO』。タレントの個性を生かし、分野に特化したチャンネルが最近は続々と誕生。ちなみに『+81 DANCE STUDIO』の「+81」は、国際電話における日本の国番号。「ジャニーズの魅力を世界へ、世界中からラブコールを」という期待が込められている。
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