※日経エンタテインメント! 2021年12月号の記事を再構成

SNSでの発信力が高いタレントは誰なのか――。マーケティングに関わるビジネスパーソンなら気になる人も多いだろう。日経クロストレンドと日経エンタテインメント!は共同調査を実施、200万人以上のフォロワーを抱えるアカウントをピックアップし、その発信力を分析した。

 タレントにとっても欠かせないものになってきているSNS。特に非接触が求められるコロナ禍では、多くのタレントがSNSでアクションを起こし、ファンとの交流を図った。今年も指原莉乃や嵐の二宮和也を中心としたメンバーがYouTubeに進出し話題を集めたが、SNSの口コミ分析を手がけるユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏は「芸能人にとっても、自身のYouTubeチャンネルを持つということは財産になるというのが明らかになってきた」と語る。

 そうしたタレントの動画はこれまでYouTubeを見なかった人々までをも魅了している。ワールドワイドな規模で人気を獲得するケースもあり、視聴者層はますますの広がりを見せているが、YouTubeチャンネルの統計情報などを扱う『yutura(ユーチュラ)』の管理者で、オモシロ代表取締役の堂馬佑太氏は、『中田敦彦のYouTube大学』を例に出し「以前のYouTubeでは教養系の動画は視聴者に受けませんでした。しかし、YouTubeが一般化して利用者も幅広くなっているので、年齢・性別を問わない誰もが楽しめるものがヒットするようになってきています」と分析する。

※ファン数は今回の調査のファン数を合計したもの
※ファン数は今回の調査のファン数を合計したもの

フォロワー数は実績の評価

 CMを企画する側は、SNSで活躍するタレントのパワーをどう見ているのか? 多くのナショナルクライアントを相手に広告戦略を提案するTBWA/HAKUHODOエグゼクティブクリエイティブディレクターの細田高広氏は「広告に起用する上で大事なのは、まずその人に対しどれだけのファンがいるのかということ。フォロワーの数はその人の過去も含めた実績の評価だと考えています」と語る。「例えばマス向けの飲料を広告する場合、ある程度のリーチが期待できなければ話は始まりません。“この人とコラボをすれば、飲料ブランドの想定するターゲット層が、少なくても100万人は見てくれるな”と具体的にイメージできることがまずは大切です」(細田氏、以下同)。

細田高広
TBWA/HAKUHODOエグゼクティブクリエイティブディレクター
2005年に博報堂に入社。ロサンゼルスの広告会社TBWA/CHIAT/DAYを経て、2012年からTBWA HAKUHODOに所属。著書に『未来は言葉でつくられる』(ダイヤモンド社)、『解決は1行。』(三才ブックス)などがある。

 次に見る大事なポイントはエンゲージメントだという。エンゲージメントとは、投稿に対してどれだけ「いいね」「シェア」「コメント」などのリアクションがあったかを計るものだ。「なかでもコメントは注意深く読んでいます。例えば渡辺直美さんは数百万単位のフォロワーを抱えていますが、そのうちの何%が深い会話をしているのか、どのような話題が人気なのか、量だけでなく質の面からも分析を加えます。これは以前、マスメディアに広告を出稿するときに“部数はどれだけあって、コア読者はどんな層なのか”を議論していたときと近い感覚だと捉えています。今はSNSを使って発信する人そのものがメディアになっていると感じています」。

 細田氏はSNSそれぞれの違いをどう見ているのか。

 「特に昨年、芸能人の参入が目立ったYouTubeは新しい“お茶の間”になろうとしています。老若男女、幅広い層に届くという点では、デジタルのなかでもYouTubeが群を抜いていますね。最近では、若者だけでなく、シニア層にまで十分にリーチする手応えがあります」

 一方、Instagramは「かつての雑誌に近い感覚で見ている」という。「比較的若い世代向けの、グラフィックメディアと捉えています。ターゲットを絞って届けるための選択肢です。うまく生かすには、趣味嗜好に合わせた広告コンテンツを用意する必要があります」。

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