
朝はとにかく時間がない。保育施設に通う乳幼児を抱えている保護者なら、なおさらだ。おむつを準備する時間さえ削減したい。そんな要望に応えるサブスクリプションサービス(以下サブスク)「手ぶら登園」の利用が増えている。子育て支援でありつつ、保護者、さらには保育士の心身の健康を保つウェルビーイングのサービスとも言える。
多くの母親が「しんどそう」だった。気持ちのよい朝のはずが、子供を連れて来るときの表情が、既に疲れている。早起きして食事を作り、子供の世話をして保育園に預ける。仕事が終わると急いで迎えに来て夕食の準備、山積みの洗濯などを終えるが、子供の夜泣きで睡眠不足……。
「1日に2回通う保育施設が保護者に手を差し伸べ、もっと(保護者の)タスクを減らすことができないものか」。2013年に認可外の保育所を開いたばかりで、現在はBABY JOB(ベビージョブ、大阪市)代表の上野公嗣氏がこう思っていた時、前職のユニ・チャームから声がかかった。
少子化と共に、紙おむつ市場も縮小している。その一方で利用率が高まっている保育所で、何らかの形でおむつを展開できないか、という相談だった。
そこでひらめいた。上野氏の保育所では、既に「おむつも昼寝用の布団も持参せずに登園できる」という有料サービスを展開していた。これを認可保育園にも提供できないか。だが、福祉施設の名のもと、認可保育園が保護者から直接現金を回収することは難しい場合も多い。
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