
オフィス家具の「色」が変わり始めている。スチール製の椅子や机が主流だったが、木目柄に印刷した面材や天然の木材を生かした製品が数多く登場しているからだ。事務作業に没頭するオフィス空間のイメージは少なくなり、最近は社員同士が議論しながら創造性を発揮する場としての空間が求められている。この傾向はコロナ禍以前からあったが、コロナ禍以降はフリーアドレスなどが増え、仕事のやり方が大きく変わっている。
「気持ちがいい、人が集まりたくなるといったラウンジ型のオフィスが注目されており、オフィス空間づくりに木材を適用したデザインを採り入れようとする事例が増えている」と話すのは内田洋行オフィス商品企画部部長の門元英憲氏だ。
実際に内田洋行が、椅子や机などインテリアに木材を生かしたラウンジを外部に造り、その隣に一般的なラウンジも設置して人の滞在時間を測定した。特有の香りに加え、消臭、抗菌といった効果があり、肌触りもいいといわれる。しかし木材を加工せず、そのまま生かさないと、これらの効果は得られにくいという。
新しい木材活用をデザインに生かす
そこで丸い杉を角材に製材する際に出てくる周辺部分を活用。新たな部材として張り合わせ、椅子や机の天板や棚に使用することにした。「木製中空パネル」と呼んでおり、空洞があるため同じ厚みの木材と比べて軽いながらも強度を保てる。これまで捨てられたり燃やされたりしていた部分が無駄にならず、木をまるごと有効に使える。
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