第1週は「CX(カスタマー・エクスペリエンス=顧客体験)」特集。デジタルで進化したCXをどうマーケティングに結び付けていけばいいのか、先進企業の取り組みを紹介します。加えて、決済や価格戦略などに欠かせない、お金にまつわるマーケ特集「キャッシュレス」「ダイナミックプライシング」もお送りします。

【2月の特集】

 第1週の特集は「CX(カスタマー・エクスペリエンス=顧客体験)」です。総合コンサルのアクセンチュアが掲げる定義では、「一般には、魅力的な店舗における丁寧な接客やシンプルで美しいアプリやウェブサイトなど、カスタマージャーニー上に従来からある販売やマーケティングのタッチポイント」とされています。

 しかし、新型コロナウイルス禍などさまざまな外的要因の影響で、人々とブランドとの関係も変化。「顧客体験」の概念そのものも進化している、と同社は指摘しています。

 本特集では、優れたマーケティングに定評があるスターバックスや丸亀製麺、オルビスなどの“CX巧者”の実例を紹介。特に、デジタル領域でのCXの最前線について取り上げていきます。リアルをも変える優れたデジタルCXとは何なのか、成功の道筋を探ります。

デジタル化した顧客接点をどう新たなCXに結び付けていくのか、先進企業の事例を取り上げます(画像/Shutterstock)
デジタル化した顧客接点をどう新たなCXに結び付けていくのか、先進企業の事例を取り上げます(画像/Shutterstock)

キャッシュレス&ダイナミックプライシングの最新動向も

 「お金」にまつわる2つの特集も予定しています。1つが「キャッシュレス」。実はこの春、“世紀の大転換”というべき政策が実施されます。それが個人給与のキャッシュレス払い。これによって、PayPay、LINE Payといったキャッシュレス事業者に大量の新規顧客が生まれることになります。

 一方、既存顧客を失いかねない銀行なども必死です。大転換に際して、どういう攻防を見せるのか。マーケター目線で最前線をリポートします。

 もう1つが約3年ぶりとなる「ダイナミックプライシング」特集です。もともとは繁忙期と閑散期の需要を平準化するために、ホテルや旅行業界などで導入されていました。しかしながらコロナ禍を経て、混雑抑制や働き方の多様化といった新たな社会課題が表出。これを解決するための切り札としても期待されています。ダイナミックプライシングの最新動向を、こちらもマーケティングの見地から取り上げていきます。

 2月第1週(6日~) 

リアルを変える「デジタルCX(顧客体験)」
 新型コロナウイルス禍を経て生活者の価値観が大きく変化し、ECやアプリなど顧客接点も多様化する中で、デジタル技術を活用しながら新たな顧客体験価値(CX)を創造していくことが企業に求められている。本特集では、スターバックスや丸亀製麺、クリスプ・サラダワークスなどの先進事例を基に、デジタルCX成功の道筋を考えていく。

 2月第2週(13日~) 

ブランディングの誤解
 ローソンは2021年4月にPB(プライベートブランド)のパッケージを全面刷新した。同社は20年4月にデザイン会社をパートナーにPBのデザインを全面刷新したものの、「商品が分かりにくい」とネット上では物議を醸しだしていた。それからわずか1年での全面刷新となった。21年4月の刷新では商品画像を大きく表示するなど、分かりやすいデザインにした。
 これは典型的なブランディングの誤解によるものだ。「ブランド」の語源は、家畜の焼き印にあると言われる。ブランドとはあくまで、消費者が商品・サービスを識別するための記号にすぎない。本質は商品・サービスの便益にあり、ブランドはその便益を得るための識別子だ。ローソンはパッケージの刷新でブランドの表示を分かりづらくしたため、消費者が識別しづらくなった。そうした事例などを基に、ブランディングの本質を学ぶ。

 2月第2週(13日~) 

ダイナミックプライシングの新常識
 当初、繁忙期と閑散期の収益平準化や人気商品の価格最適化を目的にホテルやスポーツ興行、小売りなどで導入されたダイナミックプライシング(価格変動制)。コロナ禍を経て、混雑抑制や、リモートワークの定着と働き方の多様化、昨今の電力不足といった新たな社会課題への対策としても拡大の兆しが出てきた。2020年2月以来となるダイナミックプライシング特集では、20年当時から導入、ノウハウを蓄積してきた先行企業と、コロナ禍以降に導入を決定・検討している企業への取材から、ダイナミックプライシングが価格決定に及ぼす影響や採用時の課題などを探る。

 2月第3週(20日~) 

キャッシュレス“世紀の大転換”を乗り切る!
 23年春には個人金融に関わる政策で“世紀の大転換”が実施される。国(厚労省)が企業に対して、個人の給与を「○○ペイ」に直接振り込ませることを認めるのだ。
 この結果、攻める側の「○○ペイ」各社は、降って湧いた新規顧客に対してどうマーケティングするか、金融サービスの強化(この機会の収益化)に走る。一方で守る側の1つ、既存銀行も生き残り策を打ち出す。例えば、三井住友(SMBC)は三井住友カード発行のVポイントをTポイントと統合して、顧客囲い込みとサービス強化を図る。また守る側のもう1つである携帯電話会社も、22年9月に会社をまたいだ個人間送金サービスを開始するなど「○○ペイ」への対抗策を打ち出す。
 キャッシュレス決済の普及を前提にした制度変革を踏まえ、何が起きるのかの「俯瞰図(ふかんず)」を示しつつ、各社の「生き残り策」を特集する。

 2月第4週(27日~) 

パナソニックが挑む新デザイン経営
 パナソニックのデザイン経営が新段階へ。デザインを主軸に企業全体を本気で変えようとしている。「経営を変えるデザイン」について、執行役員デザイン本部長の臼井重雄氏など経営トップに取材。パナソニックでデザイン、デザイン思考、デザイン経営をどのように浸透させようとしているかに迫る。

【2月のイベント】

 2023年1月に米国で開催された、世界的2大イベント「CES」と「NRF 2023:Retail's Big Show」。世界最大級のテクノロジーカンファレンスのCESと、世界最大級の小売り分野のカンファレンスであるNRFは、それぞれその年の業界トレンドを占うイベントとして、世界各国から注目を集めています。実際に現地で取材したヤプリの伴大二郎氏、IBAカンパニーの射場瞬氏は、イベントを通してどのような知見を得たのでしょうか? 識者2人に、マーケターが押さえておくべき2023年の最新トレンドを解説してもらいます。

 両イベントを取材した日経BPシリコンバレー支局長・松元英樹もディスカッションに加わり、記者視点で見た最新トレンドについても解説します。

※本講演はオンライン開催のみとなります。リアル参加枠はございません。

2人のスペシャリストが、マーケター目線で米国2大イベント「CES」と「NRF」のトレンドを解説!
2人のスペシャリストが、マーケター目線で米国2大イベント「CES」と「NRF」のトレンドを解説!

【開催概要】
名称:日経クロストレンド・カレッジ【オンラインセミナー】
日時:2023年2月24日(金)13:00~14:30
会場:オンライン開催(Zoomを使ったWeb配信セミナーです)
価格:日経クロストレンドの有料会員およびセミナー・プラス会員は無料(追加料金なし)で受講いただけます。
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