新規顧客を奪い合うビジネスモデルは、今や完全に時代遅れです。自社の商品やサービスを愛し、大切にしてくれる顧客と真摯に向き合い、長く付き合っていくことこそが重要。次世代の経営指標である「LTV」を、詳しくご紹介します。6月のイベントは、米国小売りの最新事情。2022年の流通トレンドを、2人の専門家が解説していきます。

6月の特集予告
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【6月の特集】

 「LTV」(顧客生涯価値)は、今やすべての業界で最も重要なキーワードといえるのではないでしょうか。Life Time Valueという英語が示す通り、顧客がその生涯において、自社にどのぐらいの収益をもたらしてくれるのかという経営指標です。

 私事で恐縮ですが、最も苦手な作業の一つに「スマホの購入」があります。分かりにくいキャンペーンと店舗によって千差万別の価格、やっとのことで端末を決めたと思ったら、長い長い説明に加えて、やたらと加入させられるオプション。今でこそやや沈静化したようですが、本来楽しいはずの「買い物」体験が苦痛以外の何物でもありませんでした。

 端末値引きで「新規顧客」の数を増やし、オプション加入で「月額料金」を高めて、「契約期間」を最大化する──。LTVを最大化する基本ですが、契約の過程で、各KPI(重要業績評価指標)を最大化したいがばかりに、顧客の気持ちをないがしろにしていないでしょうか。

 携帯電話会社だけでなく、多くの企業が新規顧客偏重から、既存顧客との関係性の強化へと舵(かじ)を切っています。LTVを上げるためには顧客数や売り上げという目先の数字だけでなく、ずっと自社の商品やサービスを愛して、親しんでくれているお客様を増やしていくのは、本来当たり前の行為。先進企業の取り組みから、LTVという新たな経営指標をどう駆使すべきか、詳しく取り上げます。 

顧客一人ひとりと長く接点を持ち続けることで、収益を安定化させていくLTV発想は、今やどの企業にも求められている(画像/ShutterStock)
顧客一人ひとりと長く接点を持ち続けることで、収益を安定化させていくLTV発想は、今やどの企業にも求められている(画像/ShutterStock)
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メディアのその先を見据える「プレスリリース」活用術

 もう一つ注目の特集は、「プレスリリース」のマーケ活用術です。プレスリリースというと、広報がメディアに情報発信するためのもの、というイメージの方も多いかと思います。ですが今は、消費者に直接発信するための手段としても注目されています。

 例えば昨年8月、あえてSNSに頼らず、プレスリリースに全力を尽くすある店舗の取り組みをご紹介したところ、非常に多くの方にご好評いただきました(関連記事:岡山発バター専門店の奇抜な販促戦略 プレスリリースに「全集中」)。このお店もやはり、メディアの先の消費者を見据えての戦略でした。広報担当者だけではなく、マーケターや商品企画担当者も知っておくべき、プレスリリースの要諦をご紹介していきます。

 6月第1週(6日~) 

「プレスリリースのマーケ活用」新常識
 企業とメディアをつなぐ定番中の定番である「プレスリリース」。最近では、メディア向けだけでなく、消費者(生活者)への発信の役割も担いつつある。SNSや動画共有サイトなど、多様なチャネルで企業や個人が情報発信をできる時代、当然セオリーも変わり始めている。もはや広報部門が孤軍奮闘してニュースを出すだけでは、プレスリリースは膨大な情報の“海”に埋没してしまう。また、美辞麗句や驚きの文言を並べただけのものでは響かない。より深く、企画自体を理解した上での発信が必須だ。広報部門だけでなく、マーケターや商品企画担当も知っておくべき、SNS全盛時代のプレスリリースの正解を専門家と共にひも解く。

 6月第2週(13日~) 

次世代経営指標「LTV」
 新規顧客偏重から、既存顧客との関係性強化へ。多くの企業にとってCRM(顧客関係管理)の重要性が増している。CRMの成果を測る、最も重要な指標が「LTV(顧客生涯価値)」だ。LTVは顧客1人当たりが自社に与えてくれる収益を表す指標。顧客から愛され、継続的に購入してくれるかどうかを端的に示す指標になる。今やLTVは小売りからメーカーまで、あらゆる企業の重要な経営指標になりつつある。先進企業の取材から、LTVの定義決めや計測するためのデータ設計法を学ぶ。

 6月第3週(20日~) 

世界に誇る日本のフードテック最前線
 味の素をはじめ日清食品、不二製油などの大手企業が本格的な取り組みを始め、「フードテック元年」と言われた2020年。そこから2年がたち、日本のフードテックは進化と深化を続けている。世界に類を見ない日本発の取り組みに焦点を当て、そのインパクトをリポートする。

 6月第4週(27日~) 

ニッポンの今どき富裕層研究
 マーケターとして気になるのは、やはり「金銭的に余裕のある消費者」の動向だ。今、日本で余裕がありそうな3つの消費者像──「リッチシニア」「パワーカップル」「リッチZ世代」──にフォーカス。その価値観や消費行動、好きなブランドなどを、データを基に浮き彫りにしていく。

 6月第4週(29日~) 

「顧客体験価値ランキング2022」リポート
 顧客が「自分の気持ちや求めることをよく理解している」と思うブランドは――。インターブランドジャパン(東京・渋谷)が「顧客体験価値(CX)ランキング2022」を発表。ここではランキングの内容を詳細に分析したうえ、回答者の生の声から、顧客が今ブランドに求めている体験価値を探る。

【6月のイベント】

 米ラスベガスで2022年3月に開催された小売りの祭典「SHOPTALK2022」。4日間にわたり開催された同イベントでは、店舗への回帰や、新しいチャネルとして注目を集めるメタバースやライブストリーミング(ライブコマース)活用、クッキーレス対応、サステナビリティーへの取り組み、顧客ロイヤルティーの構築など、いくつもの「重要ポイント」が語られました。

 実際に現地で取材したヤプリの伴大二郎氏、IBAカンパニーの射場瞬氏に加え、日経クロストレンドシリコンバレー支局長の松元英樹が、2022年の小売りトレンドを解説します。注目のビジネストレンドや小売りビジネスの新潮流が丸わかりです! 

 「日経クロストレンド・カレッジ」は4月から、日経クロストレンドの有料会員は無料(追加料金なし)でご参加いただけるようになりました。伴氏、射場氏、松元支局長と、編集部員そしてご参加の皆さまと一緒に行う「居残り!勉強会」も予定しておりますので、ぜひお気軽にご参加ください!

 6月24日(金) 有料イベント(有料会員は無料) 

【講演】
名称:日経クロストレンド・カレッジ【オンラインセミナー】
上半期の米国イベントからひも解く「2022年の小売りトレンド」

日時:2022年6月24日(金)14:00~15:30
会場:オンライン開催(Zoomを使ったWeb配信セミナーです)
価格:日経クロストレンドの有料会員およびセミナー・プラス会員は無料(追加料金なし)で受講いただけます
※有料会員以外は5000円(税込み)
詳しくはこちら

オンラインセミナー 上半期の米国イベントからひも解く「2022年の小売りトレンド」
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