ウェブ解析をはじめとしたデジタルマーケティングで、事業の成果に貢献する「ウェブ解析士」は、これまでに4万6000人以上が受験している認定資格だ。連載1回目は、ウェブ解析士とは何か、ウェブ解析士になるとぶち当たる壁、キャリア開発のヒント。そしてウェブ解析を行う3つのステップについて紹介する。

ウェブ解析士とは?

 ウェブ解析士は、ウェブマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」について、必要不可欠な知識・スキルを身につけられる資格だ。一般社団法人ウェブ解析士協会が運営しており、資格のグレードは「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3つがある。全国各地で資格講座の受講および受験をすることができ、主にウェブ業界で働く会社員やフリーランス、事業会社で働く広報・マーケティング担当者などが取得している。

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佐藤 佳(さとう けい)
Snow Peak USA, Inc. - Global Business Strategic Manager
愛知県出身。上級ウェブ解析士。大学卒業後、地元の中小企業に入社。そこで歴代初のウェブ問い合わせを受電対応したことがきっかけで、ウェブマーケティングの世界に興味を持つ。その後、広報・採用・マーケティングの戦略と実務の両方を経験する。2021年9月に海外赴任でオレゴン州ポートランドへ。現在はSnow Peak USA, Inc.でグローバル戦略を担当している

 私がウェブ解析士を取得した経緯について、簡単に触れておこう。私は大学卒業後、当時12人だった愛知県岡崎市のITベンチャーに入社した。そこで、小さな会社を広報する方法を探していたところ、ウェブマーケティングに可能性を感じ、2015年にウェブ解析士を取得。現在は上級ウェブ解析士まで取得している。

ウェブ解析士になるとぶち当たる壁

 さて、ここからは私がウェブ解析士になってからぶち当たった課題と、その解決策をHow toとして紹介していこう。これは中小企業のインハウス担当になると多くの人が体験することだが、最初の課題は「そもそもウェブ解析に使える時間がほとんどない」というものだ。

①そもそもウェブ解析に使える時間がほとんどない

 これは会社規模やあなたのポジションによっても変わるが、特に中小企業は1人あたりの業務の幅が広く、特定の業務だけやれることの方が少ないだろう。

 例えば私が事業企画部の責任者として、バックヤードチームの部門長だった時のケースを紹介しよう。総務・経理・労務・情報システム担当者のマネジメントをしながら、広報・採用の戦略と実務を1人で行い、営業部と連携してインサイドセールスの企画と実務を担当し、グループ会社の広報・採用を支援していた。ウェブ解析に使える時間は月1~2日あればいいといった状況だ。

 これは極端な例かもしれないが、とにかく複数の業務をこなしながらの実務になるだろう。ここでのアドバイスは、「自分でやる業務」「委託する業務」「今はやらない業務」を分けて、どのくらい自分がウェブ解析に時間を使えるのか?タイムマネジメントをすることだ。

 それからインハウス担当を1人でやっていると起こりやすいのが、マーケティング関連の新しい情報を見逃しやすいということだ。気が付いたらGoogleのアルゴリズムがアップデートされていたとか、マーケティングに関する重要な法律改正について施行間際に気づくなど。そこでお勧めしたいのは、ウェブ解析士のセミナーイベントに参加してウェブ解析士の友人を増やしたり、ウェブ業界の著名人のSNSをフォローしたりして、積極的に情報が入ってくるように工夫をすることだ。

②施策・思考の仕方に行き詰まる

 ウェブ解析の実務を始めると、さまざまな課題に出合うだろう。特に資格を取ったばかりのころに陥りやすいのはこの2つだ。

  • Google アナリティクスのデータだけで判断し、施策を見誤ってしまう
  • どのようにデータを見ていいか分からず、状況説明のリポートしかできない

 具体的に言うと、前者のケースは「ウェブ解析士だからウェブ解析をしよう」と考え、Google アナリティクスを開き、データから見えたことだけでマーケティング施策を立案した結果、ユーザーの心理を見誤って失敗してしまうというものだ。これは「ユーザー目線」を忘れてしまったことで起こりやすい事例だ。

 後者のケースは、データの見るべきポイントが分からず、サイトの訪問数が上がりました・下がりました、といった状況説明しかできないことで、効果測定もできず、次のアクションも定まらないというものだ。これは「仮説がない」ことで起こりやすい事例と言える。そこで、この2つを同時に解決できるシンプルな方法を紹介しよう。

Step1ユーザー(想定ターゲット)の気持ちで自社サイトを見て、気づきをメモする
Step2上記で自分が行った動き(=仮説)をユーザーがしているか、データから検証する
Step3これらのアクションを総合して、現時点の評価と課題解決策を考える

 これは多くの先輩ウェブ解析士が行っていることの一つで、基礎でありながらベテランになっても使える重要テクニックだ。

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