
予約不要で待ち時間もない、スシローの新業態店舗が数を増やしている。FOOD & LIFE COMPANIES傘下のあきんどスシローは、テークアウト、デリバリー事業を強化。テークアウト専門店の「スシロー To Go」は、既存の店舗ではカバーできないエリアまで販売チャネルを拡大するのが狙いだ。
回転すし業界を席巻するスシローが、今度は“回らないすし”の出店を急拡大している。混雑する食事時でも予約なしですしを買えるテークアウト専門店「スシロー To Go(以下 To Go)」だ。2020年9月から10月にかけて試験的に営業した兵庫県芦屋市の「スシローJR芦屋テイクアウト店」で、結果的に想定の2.5倍以上となる1日平均400人以上の利用があったことから本格導入が始まった業態だ。
郊外の大型店が中心だったスシローは、16年に初となる都市型店舗「スシロー 南池袋店」をオープン。賃料が高くなる都市型店舗は、100円皿は120円(税込み132円)、150円皿は170円(税込み187円)、300円皿は320円(税込み352円)など、メニューをそれぞれ20円ほど高く設定。お得な3貫盛り商品などの店舗限定メニューを展開するほか、注文した商品が席まで直接届く「Auto Waiter(オートウェイター)」などを設置しているのも特徴だ。
その後、新宿や渋谷、心斎橋など主要駅近辺に都市型店舗を拡大していったが、「さらにお客様の近くに出店することを考えた際、近隣のスシロー店舗のキッチン設備で調理したものを運べば、狭い間口の場所でもすしを提供できるのではと思い立ち、テークアウト専門業態の検討を始めた」(スシロー)という。
駅前や駅ナカ、商店街など、消費者の生活動線上に店舗を構えている点がTo Goの大きな特徴。「スシローは全国に600店舗以上を展開しているが、その近辺のエリアであれば基本的にTo Goの店がつくれる」(あきんどスシローの堀江陽社長)。スシロー店舗のピークではない時間帯にTo Go用のメニューを製造すれば効率もよい。生活の場に近いエリアに出店するためか、To Goではテークアウト限定メニューのほか、「枝豆」「だし巻き玉子」といった家飲み需要に合うような商品もラインアップしている。
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